サンダーバードと雷鳥は違う? 「いさぶろう」誰? 列車名をめぐる事情あれこれ

日本語以外のユニークな列車名

 JR九州以外にもユニークな名前の列車は走っています。

 JR西日本には「○○(まるまる)のはなし」という、まるでクイズのような名前の観光列車が登場しました。「○○」には別の言葉が入るわけではなく、そのままが正式な名称です。同社は列車名について、「山陰線には日本と西洋をひき合わせた志士達の歴史や文化、美味しい海の幸や地酒など、見て、聞いて、感じてみたいさまざまな『はなし』が息づいています」とし、さらに運転区間の萩(はぎ)・長門(ながと)・下関(しものせき)の頭文字を取って、「思い出に残る『はなし』の旅をお楽しみください」と説明しています。

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博多~大分間などを結ぶJR九州の特急「ソニック」(2012年2月、恵 知仁撮影)。
特急「サンダーバード」に使用されるJR西日本の681系電車(2014年7月、恵 知仁撮影)。
南海電鉄の「ラピート」はドイツ語で「速い」という意味(児山 計撮影)。

 列車名には、日本語だけでなく外国語や外来語、またはそれらを用いた造語も少なくありません。英語で「音速」の意味を持つJR九州883系電車の特急「ソニック」や、福井県の観光資源である恐竜の英語「dinosaur」と地元の期待を込めた「スター」を組み合わせたJR西日本の特急「ダイナスター」などが例に挙げられます。

 北陸本線を走るJR西日本の特急「サンダーバード」の名前の由来は、同社によると、アメリカ先住民族の神話に登場する鳥の名前がモチーフといいます。かつて同じ区間を走っていた特急「雷鳥」の英訳にも思えますが、冬に白い羽根になるライチョウの英語は「Ptarmigan(ターミガン)」であるため、実は「雷鳥」と「サンダーバード」はまったく異なる鳥なのです。

 英語以外の列車名では、JR北海道の特急「オホーツク」(ロシア語。オホーツク海に由来)、特急「カムイ」(アイヌ語)、南海電鉄の特急「ラピート」(ドイツ語)、JR西日本の快速「ベル・モンターニュ・エ・メール」(フランス語)などがあります。

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コメント

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6件のコメント

  1. 小田急の ふじさん 命名は失敗だな

    • 「ふじさん」への改名は外国人観光客へのアピールを期待した地元観光協会の請願もあったらしい。

      ま、小田急の命名失敗は「サポート」で実績があるからさほど驚きはない。
      いずれJR東や富士急から商標権を巡る訴訟を起こされないよう願うのみ。

  2. ここはやはり、富士急行の「フジサン特急」の車両は、以前小田急・JR東海共同運行の「特急あさぎり」に使われていたことを言わなくてはだめでしょう。

    • 「富士山ビュー特急」も元「あさぎり」で、こちらは元JR東海の車両(371系)です。

  3. 昔は特急しおじ、急行ながと、なんてのはフェリと戦艦に重なるけで何だか聴かされ響く名前だったかな
    まあ富士山周辺は少し不二の感覚で冒険した名前を考えないと最近はパクリ以下の型崩れだし?名前を募っても歴代を採用するのも大切だけど?何だか落ちの無い不発の漫才みたいだし?

  4. そういや前世紀に「スーパー雷鳥(サンダーバード)」と名乗っていた黒歴史は出さない方がいいのかな?(笑)