サンダーバードと雷鳥は違う? 「いさぶろう」誰? 列車名をめぐる事情あれこれ

誤乗注意? 乱立する「富士山列車」

 列車の数が増えると、似たような名前の列車も登場します。

 世界遺産に登録され、世界中から脚光を浴びている富士山の周りには、「富士山」を由来にした列車が多数運行されています。

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世界遺産となった富士山の周りには「富士」を冠した列車が多い。写真は富士急行の「フジサン特急」(児山 計撮影)。

 JR中央本線から富士急行線に直通する快速「富士山」「ホリデー快速富士山」「山梨富士」、富士急行線内の特急「フジサン特急」「富士山ビュー特急」、観光列車「富士登山電車」。さらに小田急電鉄には「あさぎり」改め「ふじさん」が2018年3月のダイヤ改正から登場しました。

 このなかでもJRの快速「富士山」と小田急の特急「ふじさん」はいずれも東京の新宿を始発として富士山方面に向かいますが、「富士山」は山梨の河口湖行きで、「ふじさん」は静岡の御殿場行き。両駅は富士山を挟んで直線距離で約30kmも離れているため、乗り間違えると大変です。

 ちなみに特急「ふじさん」の前身である「あさぎり」は、かつて国鉄急行「あさぎり」と名前が重複したことがあります。ただしこのときの急行「あさぎり」は指定席のない九州内の急行列車だったため、乗り間違える可能性は低かったと考えられます。

 似通った列車名はきっぷの誤発券や誤乗の原因にもなります。1997(平成9)年10月に北陸新幹線が長野まで開業して長野行きの「あさま」が走るようになると、列車名が似ていて紛らわしかった上越新幹線の「あさひ」は、後に「とき」に改称されたということもありました。列車名は利用客へのアピールとともに、分かりやすさも大切なのです。

※内容を一部修正しました(5月27日12時29分)。

【了】

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コメント

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6件のコメント

  1. 小田急の ふじさん 命名は失敗だな

    • 「ふじさん」への改名は外国人観光客へのアピールを期待した地元観光協会の請願もあったらしい。

      ま、小田急の命名失敗は「サポート」で実績があるからさほど驚きはない。
      いずれJR東や富士急から商標権を巡る訴訟を起こされないよう願うのみ。

  2. ここはやはり、富士急行の「フジサン特急」の車両は、以前小田急・JR東海共同運行の「特急あさぎり」に使われていたことを言わなくてはだめでしょう。

    • 「富士山ビュー特急」も元「あさぎり」で、こちらは元JR東海の車両(371系)です。

  3. 昔は特急しおじ、急行ながと、なんてのはフェリと戦艦に重なるけで何だか聴かされ響く名前だったかな
    まあ富士山周辺は少し不二の感覚で冒険した名前を考えないと最近はパクリ以下の型崩れだし?名前を募っても歴代を採用するのも大切だけど?何だか落ちの無い不発の漫才みたいだし?

  4. そういや前世紀に「スーパー雷鳥(サンダーバード)」と名乗っていた黒歴史は出さない方がいいのかな?(笑)