陸自の白バイは「白バイ」にあらず? 隊の警察組織「警務隊」とその専用バイクとは

警察の白バイと異なるのにもワケがある

「オートバイ(警務用)」のCB400SF、XJR400ともに400ccのいわゆるネイキッドタイプで、警察の白バイと違い小排気量でカウル(風防)がありません。

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夏服の警務官とXJR400タイプの「オートバイ(警務用)」(2016年6月、柘植優介撮影)。

 これは自衛隊の白バイは、スピード違反の取り締まりなどを行わないため大排気量のバイクをベースにする必要がなく、なおかつ400cc以下であれば中型自動二輪(普通自動二輪)の運転免許で乗れるからです。そのためカウルも必要なく、速度違反計測計なども装備していません。ただし車体後部に書類箱や回転灯を装備するため、シートは警察の白バイと同じく1名しか乗ることができません。

 だいぶ自衛隊車輌らしくない外観を有している同車ですが、それでもフロントフェンダー上には陸上自衛隊所属を表す桜章がしっかりと描かれており、ナンバープレートも装輪装甲車や各種トラックなどと同様の、自衛隊専用の横長6ケタのものが付けられています。

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警視庁機動隊視閲式で行進するホンダCB1300P。こちらがいわゆる警察の白バイ(2013年5月、柘植優介撮影)。

 なお、乗務する警務隊員についても陸上自衛隊の服装で乗るため、緑色または紫紺色の制服(夏場はシャツの場合も有り)に黒い帯革、もしくは迷彩服に反射ベストという出で立ちが多いです。一方の警察の白バイは冬なら黒革のジャケット、夏ならスカイブルーのつなぎに白いマフラーという格好のため、両者の違いは非常にわかりやすいです。

 またヘルメット(乗務用安全帽)に関しては要人警護や交通統制がメインのため、偵察オートのように鉄帽を被ることはせず、バイザーの付いた白色のジェットタイプで正面には金色の帽章が付いています。

 ちなみに、昨今では各都道府県警にて女性の白バイ隊員もポピュラーなものになりつつありますが、陸上自衛隊にもごく少数ながら警務科所属の女性オートバイ隊員がいるようです。全国的に大変稀なケースなので、見かけた際にはエールを送ってあげましょう。

【了】

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Writer: 柘植優介(月刊PANZER編集長)

創刊40年以上を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)の編集人。子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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コメント

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1件のコメント

  1. 後ろに憑かれた車がブレーキ掛けたり、原チャリが速度を落としてるのを見たことあるけど、チョット笑ったよ。