セルフスタンドの静電気除去シート、触れないとダメ? 店員はなぜ触れないのか

店員はなぜ触れない? 静電気除去シートが設けられた背景

 一方、静電気除去シートがあるのはセルフスタンドばかりで、フルサービスのスタンドなどでは、店員がいちいちこのようなシートに触れる姿を見かけません。これについてタツノは次のように話します。

「(ガソリンスタンドの店員は)帯電防止に優れた衣服や靴を着用しています。また業務中においても、水をまいたり、金属製品に触れるなど日常の動作で静電気の発生を防止しています」(タツノ)

 ガソリンスタンドなど危険物を取り扱う事業所で着用される静電気帯電防止作業服の仕様は、帯電を防止する生地であること、裏毛生地(ボア)を使用しないことなどがJIS規格で定められているものです。

 総務省消防庁の資料によると、ドライバー自らが給油作業をするセルフスタンドが解禁されたのは1998(平成10)年のこと。その際、従業員と異なり帯電防止対策を顧客に求めるかどうかが議論されたそうです。給油する人が車両ドアの金属部や、給油キャップを覆う金属製のふた、そして給油ノズルに触れることでも静電気除去はできるものの、これらに触れずに給油キャップを開け、放電により給油口から吹き出すガソリンベーパー(可燃性蒸気)に引火する事故もあったそうです。このため、2001(平成13)年に消防庁が各都道府県へ静電気対策について通達を出し、静電気除去シートの設置が進んだといいます。

 ちなみに、タツノによると、ガソリンスタンドはたとえばビル内であったとしても、必ず地上階に設けられるといいます。「消防法の規定により、地下に給油取扱所を設置することはできません。給油時に発生するガソリンベーパーの滞留により発火の危険性があるため、開放された空間であることや地表面の構造、勾配などが消防法で細かく定められています」とのことです。

【了】

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コメント

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4件のコメント

  1. 除去しないのはフルステーションの従業員はその時点で対策が行われているから。
    セルフがあるのは専用の服を着用していない事が非常に多いといえます。
    ただ、セルフスタンドでは窓ガラスを拭くスペースを確保するとか必要かも。
    後、給油所に水素ステーションの併設など出来るような法改正が必要だ。
    EV主流になると原発依存や停電問題が顕在化するし、既にドイツではアウトバーンや脱原発で水素・FCV開発にシフトしている。
    FCVも問題ないとは言えないが、EVみたいな停電リスクを避ける方針でエコカーを考えないといけない。

    • トヨタ関係者ですか?

    • メーカー関係者でなくても、石油枯渇後のエネルギー移行は当たり前に考える。ただでさえ日本は石油を輸入に頼ってるのだから、xxxさんも一度は考えてみた方がいい。

    • ↑勘違いされているようですが水素は原油の代替エネルギーではありませんよ? 水素は天然資源としては産出できず、水を電気分解する、天然ガスを改質、溶鉱炉から取り出すなど他のエネルギーの運搬手段でしかありません。いずれにせよ常温で液化出来ない水素はエネルギー密度が低すぎて、高効率の水素吸蔵合金や金属水素の開発などのエポックメイキングが起こらない限り普及することは無いでしょう。