貸切バス事業者、多くが「引退適齢期」 引き継ぐか譲り渡すか「事業承継」どう対応

全国4000以上の貸切バス事業者は、その多くで経営者が高齢化し、引退の適齢期を迎えています。今後5年で500社程度が廃業する見込みも。事業を後継者に引き継ぐ、あるいは他社に譲り渡す「事業承継」にどう取り組むのでしょうか。

個人経営の貸切バス事業者がまとまって引退期に

 バス事業のコンサルタント業務を手掛ける高速バスマーケティング研究所(横浜市港北区)とサポートエクスプレス(埼玉県所沢市)が2018年6月21日(木)、バス事業者に向けた「事業承継支援プログラム」の提供を開始しました。

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サポートエクスプレスの資料画像より。貸切バス事業者は1995年から3倍近くに増え、今後、その数が減少していくことが予想されている(2018年6月21日、中島洋平撮影)。

 全国に4000以上ある貸切バス事業者は、約7割が中小・零細事業者で、多くは実質的に創業者による個人経営だといいます。そのような経営者の多くが60代、70代の引退適齢期にあるものの、事業の承継が進んでいないのが現状。そこで、高速バスマーケティング研究所とサポートエクスプレスは、組織改革などを専門とするコンサルタントのG-ソリューション(東京都港区)、M&A(企業買収・合併)を専門とするAll Deal(東京都千代田区)の2社と提携し、バス事業者の事業承継を支援するプログラムを開発したそうです。

「貸切バス事業者数は1995(平成7)で1537社だったのが、2000年代の規制緩和や高速ツアーバスの台頭により、2010(平成22)年には4196社に増えています。しかし、仮に創業者が団塊世代であれば70代、1995年(平成7)に40代で創業した人であれば多くは60代です。現在の引退年齢は67~70歳近くとされており、まとまって事業承継の適齢期に差し掛かっています」(サポートエクスプレス 代表取締役 飯島 勲さん)

 飯島さんによると、将来をあまり考えていないという事業者もあれば、親族や社員に継がせようと思っているものの、思うように育たないといった悩みを抱えている事業者もあるとのこと。後継者に事業を引き継ぐのではなく、M&Aによって事業をほかの経営者に譲渡する手法もあるそうです。G-ソリューション代表取締役の三宅潤一さんによると、「経営者が突然亡くなったときこそ、本当に修羅場です。70代で事業承継に取り組む人は、口をそろえて『10年前に始めておけばよかった』と話します」といいます。

 バス業界では、相次ぐ事故を受けて2013年に新高速乗合バス制度、2016年には貸切バスの新運賃制度が開始されるなど、規制強化により経営コストが上昇し、さらに乗務員不足が拍車をかけている状況。2017年には貸切バスの事業許可更新制が導入されましたが、同年度は、対象となった事業者の約1割にあたる87社が未更新だったそうです。サポートエクスプレスの飯島さんは、今後5年で400~500社は減っていくと予測します。

 高速バスマーケティング研究所代表の成定竜一さんは、「これまでは零細企業でも『安さ』で仕事をもらえていたのですが、現在はそれでは選ばれません。そのような事業者は武器がなくなっているのです。2020年東京オリンピック・パラリンピック後に事業承継ラッシュを迎えることが予想されます」と話します。

【了】

※一部修正しました(6月21日20時50分)

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コメント

2件のコメント

  1. 垂れ流し認可の結末、要は貸しきりバスの乗り合い使用を役人が放し飼いしてきたのが全ての始まり

    高速云々じゃなくて乗り合いか貸しきりの問題でしょうによ

    まあ、立ち席面積の認められない座席定員のバスを観光バスと言いたくなる風情は分からんでもないけど、緩めては縛り付ける役人の失態の火消しの犠牲者でしょ業者さん等は?

  2. またこんなん組織が今度は何に寄生するのかと思いきや?

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