新幹線「Max」引退、中央線グリーン車投入 2階建て車両の利点と欠点

2階建て車両の「欠点」

 2階建て車両の欠点は、鉄道事業者側からみると「車両製造費用の高さ」「重心の高さ」「空気抵抗」「車内販売の困難」でしょう。大柄な車体は補強材も厚くなります。座席など使用部品も多く、製造費用に跳ね返ります。メンテナンスの手間も増えます。重心が高くなるため、2階席の曲線区間の乗り心地は悪くなります。空気抵抗も増えるため、速度を高くするほど出力を高くする必要があります。燃費が悪くなるわけですね。

 2階建てだからといって、一般車両の定員の2倍にはなりません。2階建て構造のため、デッキに階段を設けるなど共用スペースが増えます。また、階下席は台車など床下機器を避けて配置されるため、客室を広く取れないからです。たとえば、2階建てのE4系8両編成の定員が817人、平屋のE2系8両編成の定員が630人です。2階建てによる定員増は1.3倍となります。大柄な車体を作った割に、2階建て車両の定員は増えない印象です。

 先代の「Max」ことE1系では車販ワゴンを使えず、3+3列の2階席は通路が狭いため、手持ちカゴの車内販売を実施しない前提です。E4系では車体を軽量化し、そのぶんの重量で各車両に車販ワゴン用のエレベーターを設置しています。

 乗客にとっての欠点としては「乗降時間の長さ」が挙げられます。2階席、階下席とも、乗車時はデッキの出入り口から階段を使って客室へ移動する必要があります。降車時はこの逆方向。やはり階段を使います。その上に一般車よりも定員が多いため、主要駅では乗降客が多く時間がかかります。そこで、多くの2階建て車両は乗降扉の幅を広くしています。中央線快速に導入する2階建てグリーン車は両開きドアを採用し、東海道線や横須賀線などよりも幅広いドアにする予定です。

この記事の画像をもっと見る(3枚)

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

11件のコメント

  1. 在来線には215系が導入されているが、使い勝手の悪さから
    現在ではライナーとホリデー快速の運用のみに

  2. 何だか職人が去るようで寂しいですね
    窓が大型なのもいいし

  3. なんか文書が幼稚と言うかなんというか…
    読みづらくないですかね

  4. E4は通勤客目線でいえば、3+3シートであるがゆえ、2+3や2+2のように肩ふれあうくらいのギチギチに混まないことから、案外『ラク』で良かったんですがね。
    ある程度のいい角度つけられた、リクライニング角度が変えられないシートも、通勤客ならむしろ有り難かったですしね。

  5. 「つばさ」なのに「つぱさ」になってる

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。

  6. 東京オリンピックで来日する人が急増して、新幹線が常に満席になる可能性もあるので、せめて終わるまでMAXを残しておくべきでは。

  7. 2階建ての車両は都市部では特にメリットはないし、車椅子の人、障害者、ベビーカー、高齢者にムチ打つようなもの。
    つまり小池都知事はそんな知識もなく『満員電車の解消』を公約にした訳だ。本当にひどい政治家だなぁ。

  8. 本当に残念で、なりません。
    なぜ姿を消さなければならないのか?
    せめてオリンピックが終わる迄は待って欲しいです。
     
    長い間、お疲れ様でした。

  9. 2階建車両の1階は駅のホームでスカートのパンツ見えそうだよねーf^_^;
    修学旅行で同級生が必死に見ようと頑張ってたw

    湘南新宿ライン 上野東京ライン快速のグリーン車は良く使います
    新幹線より安いので

  10. 二階建て車両は着席を増やす為であり、サービスとしては良くないです。
    フランスの例を出しているかも知れませんが、フランス国鉄の利用者は減少傾向にあり、割引で何とか維持している状態です。

    フランスやドイツでも高速バス自由化で鉄道に大きな影響を与えています。
    やはり人口減の他に高速バスの自由化は鉄道に打撃を与えるのは確かだと思いますね。
    モスクワ中央環状線は安い運賃だけで乗れるクロスシートとトイレ付き車両『ラースカチスカ』があるが、あれ位の車両じゃないと日本も欧州も鉄道の意義が薄れると思います。

    北海道新聞でもフランス国鉄の利用者減少の記事があったから、人口以上に高速バスの影響が大きいと俺は思います。