国内ヘリパイロットの4割を輩出、陸自の「FEC」とは 資格取得へどんなコースが?
日本国内のヘリコプターパイロットの約4割を輩出しているのは、民間でも空自でも海自でもなく、実は陸上自衛隊です。ヘリパイロットになりたい場合、陸上自衛隊はひとつの選択肢になるかもしれません。具体的にどのようなコースがあるのでしょうか。
まずは入隊せよ! 陸自ヘリパイロットへの道
陸上自衛隊が保有する装備品には、大空を舞う航空機も含まれています。その大多数は各種ヘリコプターで、駐屯地のイベントなどで縦横無尽に飛び回るその姿を見ると、空への憧れも強くなっていきます。
ところで、陸海空自衛隊でヘリコプターパイロットになるにはどのような方法があるのでしょうか。
そのひとつに、幹部候補生として入隊して、飛行要員に選抜されるというコースがあります。「幹部候補生」とは、文字通り将来の幹部自衛官(尉官以上の階級。外国や旧日本軍では「士官」と呼称)を目指すコースのことで、おもに大学卒業以上の資格保有者を対象として募集しています。防衛大学校の卒業生も、基本的にはこれと同じコースが用意されています。
ほか航空自衛隊と海上自衛隊には「航空学生」という制度があり、おもに高校卒業と同程度の資格や学力の保持者を対象とした募集をしています。ちなみに、パイロットは航空機の操縦という高度な技能を持つことなどから幹部自衛官へ任官することになりますが、航空学生もその際には幹部候補生学校で幹部教育を受けることになります。こちらのコースは入隊からパイロットになるための道のりが明確になっていて分かりやすいといえるでしょう。
他方、陸上自衛隊でヘリパイロットになるためには、空自や海自とは異なるアプローチが必要になります。もちろん、陸自にも幹部候補生からパイロットになるための道のりはあります。ただし、空自や海自のように入隊時からパイロットになるための教育を受ける航空学生のような制度はありません。陸上自衛隊でパイロットになる道はひとつしかないのでしょうか。
実は、一般公募されている入隊コースにはない、陸上自衛官になってからチャンスが巡ってくる「陸曹航空操縦課程(フライト・エンリステッドマン・コース、以下『FEC』)」というヘリコプターパイロットへのコースが存在するのです。
>たとえば、中学校卒業と同時に15歳で高等工科学校へ入校した場合、20歳で陸曹になれるので
違います。
高等工科は横須賀での3年間を前期
その後の1年を後期と位置づけていて合計4年です。
高等工科卒業(横須賀の前期過程終了)と同時に陸士長に任官し
各方面隊にある陸曹教育隊に教育入隊して約3ヶ月間
「生徒陸曹候補生課程」を履修します。
その後、各部隊へ配置され
それぞれの部隊から各職種の特技区分ごとに「初級陸曹特技課程」に入校し技術陸曹としての専門分野の教育を受けます。
教育隊と職種学校での後期過程1年を経て後に
陸曹(3曹)任官です。
したがって最短で18歳の陸士長、19歳の陸曹(3曹)です。
18歳の陸士長と19歳の3曹といえば
高等工科出身者しかいません。