旅客機と戦闘機などが同じ滑走路「共用空港」のナゼ 茨城空港に見るその経緯や特徴

自衛隊や在日米軍などと民間機が滑走路を共有する「共用空港」は全国に8か所あります。茨城空港の事例を眺めつつ、その設置経緯や特徴など、どのような空港なのかを解説します。

ひと口に「空港」といってもいろいろある

 民間機が離着陸する空港には、自衛隊機や在日アメリカ軍の軍用機と滑走路を共用して利用するものがあります。これらの空港は、なぜ共用するようになったのでしょうか。

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茨城空港をバックに離陸する航空自衛隊の偵察機RF-4E(石津祐介撮影)。

 日本の空港は管理者と規模によって航空法で分類されており、民間企業が管理する「会社管理空港」、国土交通省が管理する「国管理空港」、地方自治体が管理する「地方管理空港」、いずれにも該当しない「その他空港」、自衛隊や在日アメリカ軍と共用する「共用空港」に分かれています(ほか、ヘリポートや非公共用飛行場があります)。

「共用空港」は航空自衛隊とアメリカ空軍が共用する三沢空港や、海上自衛隊と共用する徳島空港をはじめ、丘珠空港、千歳飛行場、茨城空港、小松空港、米子空港、岩国空港の8つが空港法で定められています。那覇空港や名古屋空港も自衛隊と共用していますが、那覇空港は「国管理空港」、名古屋空港は愛知県の県営で「その他空港」と分類されています。

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航空自衛隊と滑走路を共用する名古屋空港(石津祐介撮影)。
防衛省が管理する共用空港、丘珠空港/札幌飛行場(画像:国土交通省)。
百里基地に着陸する航空自衛隊のF-4EJ改「ファントムII」(石津祐介撮影)。

 共用空港の多くは、元々は旧日本軍の基地として作られた施設が多く、三沢空港や徳島空港は海軍航空隊の飛行場としてそれぞれ建設されました。敗戦により戦後はアメリカ軍に接収されましたが、その後は自衛隊の基地として使用されることになります。そして空港のある自治体からの要請などにより、民間との共用空港に指定がなされ航空会社の路線が開設されてきました。

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コメント

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2件のコメント

  1. 聞いた話。
    茨城空港に赤地に黄色い星5個の旗の国の飛行機が着陸してくると、空自の格納庫のシャッターが閉まるらしいw

  2. そのへんの「聞いた話」って草も生やさず、こころの中にとどめて置く方がいいと思うんだ、うん。(空自もスクランブル発生の場合の必要上、スプリングエアの離発着だけでシャッター明け閉めするほどそこまで暇じゃないし)。まぁ那覇はぼちぼち軍民分離してもいいと思うんだよな。自衛隊機のアクシデントで嘉手納降ろされたものの一歩も出られず那覇開くまで待たなきゃならん→那覇でやっと降ろされる、てのは可哀想だと思うよ?