ココに注目、総火演2018 キーワードは「機動力」と「電子戦」! …電子戦って?

2018年の総火演、その見どころを動画で紹介します。キーワードは「機動力」と「電子戦」、これらに注目しつつ本番を眺めると、より楽しめるかもしれません。

今年の総火演、ココに注目!

キーワードは「機動力」と「電子戦」、平成30年度富士総合火力演習(1分25秒)

 2018年の「総火演」こと「富士総合火力演習」は8月26日(日)に行われます。その見どころはどのようなものでしょうか。なお以下の内容は、23日(木)に実施された「学校予行」に基づくものです。当日は悪天候のため、空挺降下など一部のプログラムが実施されませんでした。

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一般へは初お披露目となった、16式機動戦闘車の射撃の様子(2018年8月23日、乗りものニュース編集部撮影)。

 今回は、「16式機動戦闘車(MCV)」の射撃する様子が初めて一般公開されます。「装輪戦車」とも呼ばれる同装備ですが、その機動力と火力を発揮し、何度も場所を移動(陣地転換)しつつ正確な射撃を実施しました。

 この「機動力」というのは、昨今、陸上自衛隊がうたう「即応機動する陸上防衛力」を体現するもので、今回の総火演を読み解くひとつのカギといえるかもしれません。たとえば99式自走155mmりゅう弾砲と牽引式の155mmりゅう弾砲(FH70)が並んで登場する場面がありましたが、両者の自走か否かの差、つまりは機動力の差異をしっかりと見せる内容になっています。

 そして、シナリオに沿った演習プログラムでは、昨年に引き続き陸海空の自衛隊による島しょ奪回を目的とした統合作戦が実施され、新設されたばかりの水陸機動団などによる展開の様子のほか、「電子戦」についての言及もありました。

 電子戦とは「簡単にいえば味方の通信やレーダーなどあらゆる電波の使用を防護しつつ、敵方の電波の使用を妨害するものです」(航空軍事評論家 関 賢太郎さん)とのことで、現代の、高度にネットワーク化された装備を活用する戦術においては特に重視されるものです。演習においては、寸断された味方の通信を、人工衛星を用いて回復させるという説明もなされました。

「かねてより主テーマであった島しょ防衛について、電子戦に重きをおき衛星通信やネットワークを活用した戦い方を見せるなど、これまでとは大きく異なる点がみられました」(航空軍事評論家 関 賢太郎さん)

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一般入場前の会場の様子(2018年8月23日、乗りものニュース編集部撮影)。
左から99式自走155mmりゅう弾砲×2と牽引式の155mmりゅう弾砲(FH70)×2(2018年8月23日、乗りものニュース編集部撮影)。
AH-1S「コブラ」対戦車ヘリコプターの射撃の様子(2018年8月23日、乗りものニュース編集部撮影)。

 陸上自衛隊の「富士総合火力演習」は例年8月下旬に行われ、戦車やヘリコプター、各種の砲などが実弾射撃する様子を目前に見られるということもあり、いわゆるプラチナチケットのイベントです。26日(日)の公開演習は午前10時から、テレビやインターネットでの生中継なども予定されています。

【了】

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