東京~北海道の移動 飛行機と鉄道、フェリーを比べてみた

割引価格で比較すると、また変わってくる状況

 割引価格で比較すると、状況は変わってきます。とくに飛行機の場合、早めに予約すると大幅に安くなる割引制度が充実。羽田~新千歳間を1万円台、もしくはそれを切る価格で利用することもできます。

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最近は成田空港と北海道の各都市を結ぶLCCも充実してきた(2017年10月、草町義和撮影)。

 LCCの安い運賃タイプは日や便によって差が激しく、早めに予約すればするほど安くなるわけでもありません。ただ、払い戻しができないものや、持ち込める荷物の重さに制限のある運賃タイプは総じて安いといえます。成田~新千歳間をジェットスターかバニラエアで移動する場合、払い戻し不可で荷物の重量に大きな制限がある運賃タイプなら、5000円未満で購入することも可能です。

 鉄道利用の「はやぶさ」「スーパー北斗」乗り継ぎでは、東京~札幌間の利用向けに設定された割引きっぷがなく、割引きっぷと所定運賃のきっぷを組み合わせるなどの工夫が必要です。たとえば、東京~新函館北斗間はモバイルSuica限定の割引きっぷ「スーパーモバトク」、新函館北斗~札幌間は通常の乗車券と特急券で利用する場合、合計額は所定の運賃、料金より約2500円安い2万4290円になります。

 大洗~苫小牧間の商船三井フェリーも、割引きっぷを各種発売しています。東京~札幌間の割引きっぷ「パシフィック・ストーリー」の場合、発売額は「ツーリスト」客室の利用で9990円から1万6330円です。所定の運賃より高いですが、これには東京駅~大洗港間の高速バスと路線バス、苫小牧西港~札幌駅間の高速バスが含まれており、全体としては2500円くらい安くなります。

 こうしてみると、所要時間は飛行機が最も短いですが、乗り換えの回数は鉄道、所定運賃はフェリーが有利です。割引価格に関しては飛行機、とくにLCCが有利ですが、利用する日や出発日までの残り日数などによって金額が大きく変わりますし、払い戻しができないといった制約もありますから、一概にはいえません。

 ただ、これらの交通機関は、所要時間や乗り換え回数、価格以外にも、さまざまなポイントがあります。鉄道なら、たとえば函館で一泊して観光するなど、途中下車しながらの旅も楽しめます。フェリーは展望浴場やレストランなどのサービス施設が充実しており、海を眺めながらお湯につかったり、食事したりすることができます。どの交通機関を使うかは、こうした「特徴」も含めて検討すると、より旅が楽しくなるかもしれません。

【了】

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コメント

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4件のコメント

  1. 首都圏のドコから向かうかで選べば…
    日程がキツキツなら北関東でも羽田や成田から飛行機一択だろうけど

  2. 道内巡りだけなら航空機が優位でしょうね。
    陸路は鉄道だけが道内への直通の手段ですしね。
    これがマイカーとなると最低でも青函フェリーは必要になってくるし、本州と道内を結ぶ、特に関東、中部とを結ぶフェリーは季節運賃の変動が激しくシーズン中は中々選択肢になりにくいし、夜行列車の廃止の穴は意外に大きいのかもしれないですね。

  3. 急ぎなら飛行機、トラック輸送ならフェリーが良いに決まっている。
    新幹線は仙台駅〜札幌駅を結ぶ区間列車運用の方が無難だと思うな。

  4. どちらも、もっと安くなってほしいです。