それでも「オスプレイ」が欲しいワケ すでにある大型輸送ヘリと併用したい陸自の思惑

やっぱり「チヌーク」もほしい理由

 では「チヌーク」はどうなのでしょうか。確かに、「オスプレイ」は、飛行速度が速く、航続距離も「チヌーク」と比較して長いことから、迅速に目的地まで到着することができます。ただし、「オスプレイ」は機内に陸自が保有するクルマを搭載することができません。機外にクルマを吊下げることはできるのですが、そうすると飛行速度が遅くなります。「チヌーク」であれば、陸自の高機動車や小型トラック(パジェロ)などを機内に搭載することができるので、飛行性能を落とすことなくクルマなどを空輸することができます。

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ファストロープを使って次々と降りてくる陸上自衛官。ホバリング中のヘリコプターは敵に狙われやすいため、島しょ防衛では不向きか(矢作真弓撮影)。

 物資の搭載量も「オスプレイ」が機内に約9tの重量物を搭載できるのに対し、「チヌーク」は約10tまでの重量物を搭載することができます。この1tの差は大きく、作戦を計画する上で重要な項目となります。

 そうしたことから分かるように、「オスプレイ」は戦闘の初期から後期まで幅広く運用され、「チヌーク」は戦闘の中期から後期まで運用されるということが見えてきます。陸自航空部隊の「切り込み隊長」であるオスプレイと、「しんがり」を務める「チヌーク」は、それぞれの特徴と活かして活躍することでしょう。

 ちなみに、陸自の保有するCH-47J型は、少しずつですが退役が進み、その姿を消しています。改良されたCH-47JA型が主力となりますが、「チヌーク」シリーズ最新のCH-47Fと同等性能の機体の導入も進んでいるということです。ただし、見た目はJA型と同じで、よく見ないと見分けが付かないそうです。

 陸自航空の将来を担う「オスプレイ」と「チヌーク」。この両機の動向に目が離せません。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. この記事おかしい。陸自がオスプレイを欲しがってないのは軍事関係者では有名。あ上が勝手ににきめたし買ってくれるの断ると後が怖い。それにオスプレイ導入が他の航空隊に皺寄せきてる。予算人員あらゆること。

  2. 固定翼機の地上攻撃で安全確保できるレベルの脅威なら、なんでそこまで価値のない離島奪還を急がにゃならん?水陸機動部隊と一緒に突っ込ませるならそもそもオスプレイの速度も航続距離もいらないよね?