「赤」「丸」特徴の丸ノ内線新車「2000系」登場 地下鉄で異例、コンセント設置のワケ(写真63枚)

充電できる時間が短いのにコンセント設置の理由

 また、6両全ての車両に車椅子スペースを設置。これとは別にフリースペースも車椅子スペースの反対側に設けられました。フリースペースの壁際には、小物を置けるテーブルや荷物掛け、そして充電用コンセント(1か所につき2口)が設置されているのが大きな特徴です。

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フリースペースには充電用コンセントも設置された(2018年10月11日、恵 知仁撮影)。

 携帯電話やスマートフォンなど電子端末の普及に伴い、近年は充電用コンセントが鉄道車両の車内に設置されることが増えてきました。しかし、コンセントが設置されている車両の多くは新幹線や在来線の特急、座席指定制の通勤列車など運行距離が比較的長い列車に導入されています。2000系のように運行距離や乗車時間が短くなりやすい地下鉄の専用車両に設置されるのは、日本国内では初めてとみられます。

 コンセントの設置は東京メトロの社内でもさまざまな議論があったといいます。荻野課長は取材に対し「全部で23部署くらいが参加する会議を7回くらい実施しました。車両設計者の視点だけでなく、一般ユーザーに近いところからもアイデアをもらおうと考えたからです。そうしたなかで、若い社員を中心に『コンセントを設置した方がいいんじゃないか』という意見が出てきました」と話します。

 乗車時間が短い丸ノ内線の列車では充電できる電気量も少ないと思われますが、これについて荻野課長は「『少しでもいいから充電したい』という意見が多くあり、(充電量が)残り数パーセントになったときの緊急用として使っていただくことをイメージしました」としています。

 一方で「私たちとしては初めての試みで、試験的な意味合いもあります。お客様同士、譲り合って使っていただければと思います」と話し、営業運行開始後の使用状況によってはコンセントの設置数を変える可能性も示唆しました。

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2000系の車内の様子(2018年10月11日、恵 知仁撮影)。

 2000系は2019年2月に営業運行を開始する予定。2022年度までに318両(6両×53編成)が製造され、現在使われている6両編成の02系を順次置き換えていきます。一方、方南町支線で使われている3両編成の02系は、いまのところ置き換える計画が立てられていません。

【了】

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Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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コメント

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5件のコメント

  1. 近鉄の次期名阪特急とACEとの間に産まれる通勤型もこんなのか?

  2. これが名鉄の新型車両だったらいいのになぁ。。。銀色のステンレスもいいけど、やっぱり名鉄は赤い電車がいい。

  3. 中身はいいと思うけど、デザインが絶望的にダサい…
    銀座線はレトロでいい感じだっただけに、残念極まりない。無駄に丸くしてカッコつけた前面に、意味不明な丸窓といい、ふざけてデザインしているとしか思えない。もうまともなデザインは出てこないのか。

  4. いよいよ丸ノ内線の新型車・2000系が来年運用が開始されます。
    全車両のバリアフリーや3画面式案内表示採用に加え、Wi-Fi機能が使用できます。
    これで営団時代から活躍した車両も、いずれは淘汰される事になります。

  5. いよいよ丸ノ内線新型2000系(3代目)が、満を持して運用を開始しました。現在運用中の02系が新・2000系に統一されるのは、早くて再来年、遅くとも3〜4年後になるでしょう。