駅そば界の新風? 夜は缶詰酒場に変身する京急の「二毛作」店、その戦略とは

鉄道駅構内の定番飲食店「駅そば」は、時代のニーズに合わせて進化しています。京急線には、朝・昼は駅そば店、夕方以降は立ち飲み酒場に早変わりするというふたつの顔をもつ店も。異なる業態を効率的に営業する工夫も満載です。

わずか3分で立ち飲み店に変身!

 鉄道駅でよく目にする飲食店といえば、セルフサービス式を基本とする「駅そば」が定番です。明治中期に産声をあげ、約100年の歴史をもつ駅そばは、近年目覚ましい進化を遂げています。

 たとえば、店内で茹であげる生麺を提供する店が増え、カフェと見まがうようなお洒落な内外観の店も多くなってきました。さらに、朝・昼は駅そば、夕方以降は立ち飲み店という、ふたつの業態を合わせもつ“二毛作”の店も登場しているのです。

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京急黄金町駅の「えきめんや」は16時に暖簾を付け替え、「えき缶酒場」として営業する(画像:風来堂)

 2012(平成24)年11月に京急線の黄金町駅(横浜市南区)改札外にオープンした店も、そのような二毛作店です。朝・昼は京急沿線でおなじみの駅そば「えきめんや」として営業し、16時を境に立ち飲み店「えき缶酒場」に変身します。

 昼の部「えきめんや」の一番人気は、かき揚げそばです。タマネギ、ニンジン、小松菜とオーソドックスな具材を使ったかき揚げは、店内でひとつひとつ手揚げし、サクッと軽い食感に。挽きぐるみのそば粉を使った麺は、店内で生麺をゆで上げて提供しており、カツオ中心の出汁(だし)とマッチします。

 16時が近づいてくると、夜の部「えき缶酒場」へ変身するため準備開始です。まず、厨房の受渡口と返却口が入れ替わります。昼間は麺の茹で場から受渡口が近いほうが好都合なのに対し、夜はビールサーバーから近い場所のほうがスムーズに受け渡しできるからです。次に、券売機を締めます。「えきめんや」は食券制ですが、「えき缶酒場」は現金制での対応です。

 そして、そば店らしいシックな紺色の暖簾から、アットホームな雰囲気を感じさせる山吹色の暖簾へ架け替え、スタッフのユニフォームも、暖簾と同様に紺色から山吹色のものに。フロア内に分煙のための仕切りを立て、灰皿などの小物類を並べて変身完了です。わずか3分ほどで、まったく別の店に様変わりします。

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