高速SAで「バス乗り継ぎ」は広まるか 九州で好評のサービスが関東上陸 その可能性

九州では西鉄だけで950便以上が停車!

――今後はどう展開されていくのでしょうか

 まずは、3便のみ対象を終日に伸ばしたり、期間を延長したりし、その後は各事業者との調整となります。関越道は多くのバスが通行しているので、たとえば長野より奥(上越、富山方面)に発着する便での乗り継ぎも想定されます。

――どのような人に利用してもらいたいですか?

 高速バスの魅力はなんといっても安価に移動できることです。気軽に乗っていただき、新たな需要を掘り起こしたいと考えています。また、外国人観光客はバスでの長時間移動もそれほどいとわないと聞いています。今後、逆区間(成田空港→長野)の運用ができれば、可能性はさらに広がるでしょう。

※ ※ ※

 前出の通り、このような高速バスの乗り継ぎサービスは、すでに九州道の基山PAで行われています。たとえば、長崎方面から基山PAで乗り換え、鹿児島へ向かう場合、福岡(天神)まで行って乗り換えるよりも所要時間が約1時間短縮されるとのこと。このサービスは2007(平成21)年に九州地方整備局主導の社会実験を経て、本格運用へと移行しています。

「九州の高速バスネットワークは福岡が中心で、地方間の直行便が少ないという事情がありました。基山PAは鳥栖JCT(南北に九州道、西へ長崎道、東へ大分道が分岐)の少し北に位置し、乗り継ぎがしやすい場所です。上下線のエリアを通路で行き来でき、両エリアで高速バスの運行情報を提供しています」(九州地方整備局)

 高速バスの利便性向上、公共交通機関への転換による渋滞緩和、広域的な地域活性化などを目的としたこの社会実験では、7割の利用者が「便利」と答えたとのこと。社会実験後、九州全域に高速バスを運行する西日本鉄道は、基山PA(高速基山バス停)を通過する便のほぼすべてに当たる950便以上を停車させたほか、2路線の単純合算運賃からおおむね2割引となる乗り継ぎ運賃を新設、さらにPA付近にパーク&ライド駐車場も整備しました。

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基山PAにおける高速バス乗り継ぎ社会実験のポスターより(画像:九州地方整備局)。

 関東地方整備局は、今回のプレ実験結果を踏まえ、有料による本格的な乗り換え実験を行うとしています。関東においても、乗り継ぎサービスが発展し、高速バスルートの選択肢が広がっていくのか、今後に注目です。

【了】

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コメント

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4件のコメント

  1. アイデアは良い。何らトラブルが無ければ、確かに劇的に速いであろうことは認める。
    が、圏央道は対面区間があり、事故どころか車両故障で通行止というケースも珍しくない。現状ではリスクが高すぎる。
    話が逸れるが、やはり完全四車線が前提のような気がする。
    今のままでは、時間はかかってもバスタ経由の方が確実なのだ。

  2. この、パーキングエリア・サービスエリアでの高速バス乗り換え を応用し、

    高速道路と交差したり近接したりする鉄軌道と一般路線バスに駅やバス停を設置し、高速バス停と鉄軌道駅・一般路線バス停を結節させていく。

    パーキングエリア・サービスエリアも必要に応じて 鉄軌道駅・一般路線バス停と結節できる場所に移設する。

    こうして、高速バスと鉄軌道・一般路線バス同士の乗り換えも出来るようにしていけばさらに交通機関全体の利便性向上になる。安直に「競合関係」だけで考えるのではなく「交通機関の垣根を超えた連携」という考え方も必要。

    九州で言えば、直方パーキングエリアとその高速バス停、交差する筑豊本線に新駅または鞍手駅移設、可能ならば近接する山陽新幹線に駅を設置することで、 交通機関の垣根を超えた交通結節点が生まれる可能性もある。

    • 人口減の日本で敵業界と仲良くお客を分け合っても、競争原理が起きずメリットが存在しません
      徹底的に、客を奪い合いライバル業界を倒す前提で競争する事が一番利便性が高くなります

  3. 高速道路休憩所と鉄道駅は極力、隣接した方が良い。
    何故なら、高速道路と鉄道駅を高くに置く事で鉄道と高速バスの乗り継ぎが上がる事、終電過ぎても高速道路休憩所で休憩出来る利点が多くあるからだ。
    高速バスと鉄道は協力しながら今後、それらに対して脅威を与える自転車と対抗する方が大事だと思います。
    欧米(特に英国、ドイツ)では若者の車、公共交通機関離れの双方が発生し、自転車だけが増加しているデータもあるから高速道路休憩所と鉄道駅の合わせ技は自転車対策の面からも有効だと思います。

    尚、圏央道久喜白岡JCT以東は4車線化は必須。
    特に五霞ICは事故が多いからここの4車線化は確実に必要がな他、五霞PAも新設すると良いかもしれません。