関西空港はいまも沈み続けている! 建物は地盤沈下も織り込み済み その果てなき戦い

2019年に25周年を迎える関西空港。大阪湾の海上に築かれた空港島は、世界に類を見ない土木工事によって誕生しましたが、現在も地盤沈下を続けています。そもそも沈むことを予期して造られた関空、この沈下との戦いは宿命ともいえます。

あえて地盤沈下を促進? 関空の地盤改良工事とは

 埋め立て工事に先立って、まずは海底の地質を調べるボーリング調査が行われました。それにより、大阪湾の海底には、厚さ25mの沖積層が広がっており、さらにその下に厚さ1000mの洪積層があることが判明しています。沖積層は水分を多く含む柔らかい粘土層、洪積層は粘土と砂が交互に堆積した比較的硬い地層です。

 1987(昭和62)年に空港の造成工事が始まり、最初に着手されたのは、沖積層の地盤改良工事でした。沖積層に砂杭を打って土砂を投入し、その重みで粘土地盤中の水を砂杭から押し出すことで、人工的に地盤沈下を促進するサンドドレーン工法が用いられました。これにより粘土中の水分や空気が押し出され、圧迫されることで地盤が硬くなり、地盤沈下が止まるのです。埋め立て完了から1年ほどで沖積層の地盤沈下はほぼ完全に終了し、現在は沈下が起きていません。

 しかし、こうした地盤改良工事を行えるのは沖積層までで、さらに下の洪積層はあまりに厚く、地盤の強度を上げるための機械がありませんでした。洪積層は硬い地盤ではありますが、空港を建設するほどの大規模な埋め立てには耐え切れず、沈下は免れません。では、洪積層の地盤沈下にどのように対処したのでしょうか。

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2018年台風21号による関空の被災状況(画像:関西エアポート)。

 じつは、洪積層の地盤自体には何もしませんでした。その代わり、地質調査をもとに沈下量をあらかじめ想定し、地盤沈下するぶんだけ人工島の高さを上乗せして埋め立てたのです。つまり、空港は現在も、洪積層の沈下が進んでいるのです。

 2017年12月の計測によると、1期島は開港の1994(平成6)年から3.43m、2期島は開港の2007(平成19)年から4.14m、それぞれ沈下が進んでいます。とはいえ、埋め立て当初は速かった沈下のスピードは徐々に鈍っていて、近年では年間10cm程度になっています。

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コメント

2件のコメント

  1. 実際に沈んだら"関空沈没"というタイトルで映画化しそうと密かに思った

  2. やはり最初の構想通り浮体式で竣工させておけば良かったのではないだろうか

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