血脈は自走砲から重機まで、陸自73式けん引車ファミリーとは?(写真10枚)

20年以上前に退役しつつも、その派生型が続々と作られいまに血脈を残す陸自装備、73式けん引車。やや地味な装備ですが、その派生型には、実にハデに活躍しているものもあります。

最初の派生型 長男坊の87式砲側弾薬車

 前述のように203mm榴弾砲や155mm加農砲の後継として導入された203mm自走榴弾砲でしたが、同車は自走式ではあるものの、操砲人員や予備弾薬の運搬のために別の車両が必要でした

 そこで陸自が考えたのが、退役する73式けん引車を改造して203mm自走砲に追従できる支援車両を作ることでした。こうして生まれたのが87式砲側弾薬車です。その名の通り、「砲」の「側(そば)」で「弾薬」を供給する「車」両で、203mm自走砲の射撃を行う13名の要員のうちの半分以上の8名と砲弾50発を運べます。一見すると73式けん引車と似ていますが、車体が1mほど長くなり、さらに弾薬の揚げ降ろし用に車体後部に1tクレーンを装備するのが特徴です。

 ちなみにエンジンは73式とは異なり、203mm自走榴弾砲と同じアメリカ製の水冷ディーゼルに換装されました。これは随伴する203mm自走砲と同じ方が整備運用上都合がよいからでした。

 なお87式は調達が2004(平成16)年度まで行われていたため、以後の派生型は87式のコンポーネントを流用して開発されました。

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最初に作られた73式けん引車の派生型である87式砲側弾薬車。フロントガラスにシャッターが付いているのが73式けん引車との相違点(画像:陸上自衛隊)。
総火演で相棒の203mm自走榴弾砲(右)に砲弾を供給する87式砲側弾薬車(左)(柘植優介撮影)。
登場当初、外国のメディアから地対地ミサイル発射機と勘違いされた92式地雷原処理車(柘植優介撮影)。

総火演の目立ちたがり 92式地雷原処理車

 87式砲側弾薬車の次に開発されたのが92式地雷原処理車です。73式や87式のような箱型形状ではなく、装甲車のような平べったい車体の上に俯仰(ふぎょう)式の連装ランチャーを搭載しているため、一見すると73式装甲車や75式自走多連装ロケット弾発射機の派生型と勘違いしてしまいますが、車体の基本構造は87式砲側弾薬車のものです。

 そのため、エンジンや変速機も87式と同じものですが、90式戦車や89式装甲戦闘車などと一緒に行動するため、悪路走破性を考慮して誘導輪(転輪の小さなもの)が車体後端に追加されている点が違います。

 92式は発射するロケット弾が非常に大きなことから、その見た目の派手さで当初、外国メディアから地対地ミサイルと誤解されたこともあったといわれますが、真偽は不明です。

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