意外と低い戦車の稼働率、クルマのようにいかないワケ ドイツ電撃戦などの実態は…?(写真11枚)
戦車の運用は、実は故障との戦いでもあります。現在においても、国産車のようにほぼ壊れないよう作ることができないのには、もちろん理由があります。
戦車は敵と戦う前に故障と戦う
日常使うクルマはエンジンキーを回しさえすれば、すぐにエンジンが掛かって走らせることができます。日本の国産車は年1回の定期点検程度で十分、故障することもほとんどありません。一方戦車は違います。カタログデータ通りの性能をいつも発揮できるのはゲーム上だけのお話で、この戦車は動くけど砲が撃てない。こっちは照準装置が不調。あっちは無線機の調子が悪い。などというのが戦車部隊の実情です。
普通のクルマを運転する時、アクセルは精々踏み込んでも半分ぐらいで、いっぱいまで踏み込むことはほとんどないと思います。しかし戦車の場合は常に8割ほど踏み込んでおり、フルアクセルもしょっちゅうです。くるまが旋回するときは遠心力を抑えるためアクセルを緩めますが、戦車は覆帯の抵抗が大きくなるので逆にアクセルを踏み込みます。つねにエンジンやトランスミッション、覆帯には大きなストレスが掛かっています。
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そもそも戦車は走り回るのは苦手です。重い鋼鉄の塊を大馬力のエンジンで、走行抵抗の大きな覆帯(いわゆるキャタピラー)を回して無理やり動かしているのです。動けば動くだけ壊れるのが戦車で、普通のクルマとは故障頻度の桁が違います。戦車は敵と戦う前に故障と戦わなければならないのです。
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