意外と低い戦車の稼働率、クルマのようにいかないワケ ドイツ電撃戦などの実態は…?(写真11枚)

戦車の運用は、実は故障との戦いでもあります。現在においても、国産車のようにほぼ壊れないよう作ることができないのには、もちろん理由があります。

WW2の戦車大国、独ソではどうだった?

 第二次大戦初期のドイツ軍戦車部隊といえば「電撃戦」でさっそうと進撃したイメージがありますが、実際はそうでもありません。たとえば1938(昭和13)年のオーストリア進駐時、ドイツ軍戦車部隊は700kmを行軍して30%近くが故障して落伍しています。まだ開戦前であり戦闘を交えず舗装道路をただ走っただけです。進撃路脇には故障して立ち往生しているドイツ戦車が点々といたのです。

 優秀なT-34戦車を生み出したソ連も「負けていません」。ドイツとの戦端が開かれた1941(昭和16)年6月22日からのバルバロッサ作戦で、もっとも装備が充実していたとされるソ連第32戦車師団は、最初の1ヶ月で配備していたKV-1重戦車49両の内37両、T-34中戦車173両の内146両を失っています。ほぼ全滅ですが戦闘損失は3割に過ぎず、5割が行軍途中の燃料切れと故障、2割が戦車兵の未熟な操縦による事故による損失と記録されています。

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陸自重装輪回収車。日本ではあまり見ないキャブオーバー型で、エンジンは運転台の後ろに。動けなくなった装輪装甲車の回収や、整備支援が役割(月刊PANZER編集部撮影)。

 ある研究では、戦車は走行距離300kmで1回故障すると見なされており、これを1個戦車師団に当てはめると1時間の行軍で2%から20%の戦車が故障で落伍することになるとされています。戦車を万全な状態に保つには1日約8時間マンアワーの労力が必要と言われ、戦車兵の仕事は戦車に乗っているより、工具を握っている時間の方が長いといっても過言ではありません。

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