陸自ヘリの救助活動、実際どうやっているの? 2015年9月、鬼怒川氾濫に飛んだUH-60JA

救助のさなかの、機内の様子

 この「ホイストワイヤー」の先端にはフックが取り付けられていて、ハーネスを装着したUH-60JAに同乗する機上整備員(FE:フライトエンジニア)を吊り下げ、地上(家屋の上)まで降ろしていきます。機上整備員が孤立者(要救助者)を確保すると、もうひとりの機上整備員がホイストを巻き上げて機内に引き上げます。こうした動作を繰り返して、UH-60JAは多くの孤立者を救助しました。

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2015年9月、関東・東北豪雨における災害派遣にて、ヘリコプターによる救助活動の様子(画像:陸上自衛隊)。

 この救助を成功させた裏には、UH-60JAに搭乗する4名の卓越したチームワークがあったからこそといえます。

 UH-60JAには、機長と副機長の2名が操縦桿を操作し、人命救助などの場合には2名の機上整備員が同乗し、計4名でフライトするそうです。全員で機内から現場を確認し、機長の判断で救助する孤立者の優先順位を決定します。降下して救助する機上整備員のホイストを操作するのは、上述のように機内に残るもう1名の機上整備員になります。

 機長席の後ろに、ホイスト操作をする装置があるのですが、この装置は微妙な機体の移動もできるようになっています。つまり、UH-60JAには操縦桿が3本あるということになります。これは、機体の真下に下がるホイストワイヤーの行き先が、機長席などからは確認することが困難で、要救助者を収容する機体中央から直接真下を見ることができる機上整備員の方が、より正確な位置を把握することができるからです。

 この時、機長と副機長は機体の安定を最優先に考えて操縦し、2名の機上整備員が連携して孤立者の救助にあたります。機体を安定させる機長や副機長も、次に救助する孤立者の位置と、その周囲の状況をつねに監視しているため、飛行中には非常に高い集中力が要求されるとのことでした。

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コメント

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1件のコメント

  1. 宇都宮駐屯地のUH-1Jなら鬼怒川でタッチアンドゴーやってます。
    市民説明無しに20年前エキュレイユで長時間上空偵察して勝手にタッチアンドゴーの演習エリアとして
    ほぼ毎日演習してる。隣は河川ゴルフ場だと配慮して?何故か住宅の有る町の方寄にタッチアンドゴーしてやがりますよアノ連中! 河川敷の土手から数百メートルの所ですよ。もうアホなの?市民の安全や平温を
    打ち消しても自衛隊いいのか?と言う事に怒り心頭です。
    宇都宮駐屯地のヘリ救助は聞いたことがないのでハッキリ言って不信感しか無い。