軍の人手不足どう対応? 変わりゆく「軍隊」という職場、女性の活用も

他人事ではないカナダ軍の女性活用、その現状

 カナダ軍のリクルートについて、「カルガリー」艦長のライアン・サルテル中佐は「他国と同様に非常に厳しい状況にあります」と説明します。

「カナダ軍では、女性のさらなる活用、そして軍内部における女性の地位向上を目指しています。現在この『カルガリー』にも、約20名の女性乗員が乗船していますが、将来的には、今後カナダ軍の人員に占める女性の割合を25%まで引き上げたいと考えています」(「カルガリー」艦長 ライアン・サルテル中佐)

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取材に応じる「カルガリー」艦長、ライアン・サルテル中佐(2018年11月21日、乗りものニュース編集部撮影)。

 カナダ軍は2018年現在、6万6570名の常備軍と2万7008名の予備役、合計9万3578名の兵力を擁していますが、その内、女性は常備軍で9937名、予備役で4406名の合計1万4343名、割合でいえば全体の15.3%になります。ちなみに、カナダの2017年版国防方針によると、カナダもその一員である「北大西洋条約機構(NATO)」各国の軍隊における女性の割合は平均して11%パーセントとのことなので、現状の15.3%でも十分に高い割合と言えます。カナダ軍では、この割合を今後、毎年1%ずつ引き上げていき、最終的には10年後をめどに25%まで引き上げようとしているのです。

 そして女性の活用を推進すると同時に、カナダ軍では軍内部で発生した性犯罪を捜査する専門チームを憲兵隊に創設するなど、より良い職場環境を目指した取り組みが行われています。

 さらにリクルート問題対策のひとつとして、兵士の家族に対するケアにも取り組んでいるといいます。

 軍隊に入隊するということは、本人の生死はもちろん、任地の異動など、多くの場合、本人の家族の問題をともなうものです。「カルガリー」艦長のサルテル中佐は「ご子息をお預かりする立場として、そのご家族にも安心感を持っていただけるよう、カナダ軍では兵士のみならずそのご家族までケアする取り組みを行っています」と説明します。

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コメント

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2件のコメント

  1. なーるほど、帆船時代だと風というものは船を追い越していく存在だったのか。動力船しか乗ったことのない人には丁寧に説明されないと気が付かない世界だな。

  2. HEADって海軍用語でトイレのことですよね。「FEMALE HEADS」って女性用トイレってことで、「緊急時および義務の履行を除き、FEMALE HEADSは男性と隔絶される」とは緊急時や有事以外では男性立ち入り禁止って事じゃないですかね。