JR、地下鉄、私鉄の3案…「大阪万博」開催で会場アクセスはどうなる?(写真23枚)

JR線と京阪線の構想もあるが…

 新線の建設では、膨大な建設費をどう調達するかが大きな課題のひとつ。コスモスクエア~夢洲間だけなら、新桜島まで建設するより距離が短く、比較的安く建設できます。しかし、安くなる理由はそれだけではありません。

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万博開催時に夢洲まで延伸されるとみられる大阪メトロ中央線(2018年12月、草町義和撮影)。

 コスモスクエア駅がある人工島「咲洲(さきしま)」と夢洲は、2009(平成21)に開通した道路トンネル「夢咲トンネル」で結ばれています。海底部はトンネルの中央に複線分の鉄道用スペースが確保されていて、その両脇にある道路用スペースと同時に建設されました。工事が難しい海底部分が完成しているから、建設費を安くできるのです。大阪市が示した試算によると、今後必要になる建設費は約500億から600億円になるとみられます。

 夢洲への鉄道構想はこれだけではありません。JR西日本は2018年4月、中期経営計画に「夢洲アクセス検討」を盛り込みました。これはJRゆめ咲線を約6km延伸して夢洲に乗り入れるもの。同線は大阪環状線に直通運転していますから、実現すれば大阪(梅田)~夢洲間が1本の列車で結ばれます。

 京阪電鉄の中之島線を延伸する構想もあります。近畿地方交通審議会が2004(平成16)年に取りまとめた答申「近畿圏における望ましい交通のあり方について」では、中之島~西九条~新桜島間6.7kmの延伸が「中長期的に望まれる鉄道ネットワークを構成する新たな路線」として盛り込まれました。このときは新桜島駅で北港テクノポート線に連絡する想定でしたが、現在は夢洲まで直接乗り入れる案(約11km)も浮上しています。

 しかし、JRゆめ咲線と京阪中之島線の延伸は、大阪メトロ中央線の延伸に比べて距離が長く、部分的に完成している施設もありません。そのため建設費も高く、JRゆめ咲線の延伸は約1700億円、京阪中之島線の延伸も中之島~夢洲間で約3500億円かかるとみられています。

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コメント

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4件のコメント

  1. 鉄道アクセスは地下鉄中央線の夢洲延伸・8両対応程度で十分だと思う。
    万博が終われば需要は大幅に減る。京阪やJRまでもが延伸しても自分の首を絞めるだけ。
    それよりも既に事業が進みつつある「なにわ筋線」・淡路前後の高架化事業・阪高湾岸線の六アイ以西の延伸などを着実に進めていただきたい。

  2. 記事の誤りを指摘します。
    大阪府は、IRは、万博終了後ではなく、万博開幕前の開業を目指して既に動いています。
    前年の2024年開業を目標にしているようです。

    • ご指摘ありがとうございます。 訂正いたしました。

  3. 根拠の無い希望的観測ですが。

    大阪メトロの中央線が夢洲まで延長。京阪電鉄は中之島から西九条まで延長。

    JR西日本は「なにわ筋線」を優先させるものの桜島駅周辺にバスターミナルを整備すると思いますが、舞洲と桜島を繋ぐ此花大橋が阪神高速道路のランプを兼ねているので混雑は避けられないでしょう。

    後それから神戸空港と関空を結ぶ連絡フェリーからも応援は出る筈です。