「戦車+ミサイル=最強!」を本当にやった西独、米、旧ソ連 使いものにはなったのか?(写真15枚)

ところがロシアでは完成していた

 ロシアでは、ハイブリッドガンが正式に使われています。先に挙げたBMP-3は、100mm砲から9M117ミサイルを発射できます。また、ロシアの主力戦車T-72やT-80の口径125mm砲で使用できる、無線誘導式ミサイル9M112(NATOコードネーム:AT-8「ソングスター」)とレーザー誘導式ミサイル9M119(NATOコードネーム:AT-11「スナイパー」)を完成させています。全てのそれら戦車が装備しているわけではなく、バリエーションのひとつとなっているようです。おもに通常砲弾を使い、ミサイルは補助的な役割で、対戦車用のほか攻撃ヘリコプターを狙うとも言われ、最大射程は5000m。戦車のミサイルで攻撃ヘリコプターに反撃しようなど、西側陣営には無い発想です。

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BMP-3。100mm砲と30mm機関砲が連装になっている(画像:月刊PANZER編集部)。
ロシアの2K22「ツングースカ」対空戦車(画像:月刊PANZER編集部)。
陸上自衛隊の87式自走高射機関砲。武装は25mm機関砲を連装(画像:月刊PANZER編集部)。

「全部載せ」BMP-3も、失敗かと思いきや、どっこい成功作となりロシアから他国へも輸出されています。この砲塔だけでも分割販売するという、ヒット商品になってしまいました。

 また、ひとつの車体に大砲とミサイル両方を載せてしまった、「またこんなもの作っちまったのか」というゲテモノ戦車も存在します。2K22「ツングースカ」という対空戦車です。なんと、9M311対空ミサイル8発と30mm機関砲を四連装という重装備です。ちなみに日本の対空戦車で、「ガンタンク」の非公式愛称でも知られる陸上自衛隊の87式自走高射機関砲は、35mm機関砲が2連装です。これに比べると「ツングースカ」は、外見だけでもゲテモノ感がたっぷりです。

「ツングースカ」は限られた車内容積のなかに、ただでさえ複雑な射撃管制システムを、ミサイル用と機関砲用の2種類も詰め込んでいます。30mm機関砲の四連装は、砲弾の装填、排莢機構だけでも相当複雑になっていることが想像できます。存在が確認された1980年代当時、西側諸国では実用性に懐疑的でした。見掛け倒しの失敗作かと思いきや、どっこいロシアの主力対空戦車になっています。

 しかも「ツングースカ」の廉価版として、96K6「パンツィリ」という車両が1995(平成7)年に登場します。これはミサイルと機関砲の砲塔をトラックに載せたもので、2018年現在もシリアに派遣されており、実戦で無人機やドローンを撃墜する戦果も挙げています。

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インド陸軍の2K22「ツングースカ」。銀色に塗装されているのがミサイルランチャー、機関砲は黒く塗られている(画像:インド国防省)。
96K6「パンツィリ」。車体は大型トラックで装甲はされていない(画像:月刊PANZER編集部)。
96K6「パンツィリ」の砲塔アップ。左右に分かれた12本のミサイルランチャーと4連装の機関砲が分かる(画像:月刊PANZER編集部)。

 西側諸国では、ハイブリッドガンおよび「全部載せ」のゲテモノ兵器は技術的試行錯誤の一段階で「夢の産物」に終わりましたが、ロシアでは立派に日の目を見ています。かの国には、まだ“ゲテモノ技術”が隠れているかも知れません。

※一部修正しました(12月20日11時15分)。

【了】

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コメント

1件のコメント

  1. 西側で実用化されなかったからか?ゲテモノ扱いだが、対空戦車に対空ミサイルが装備されてるのは結構有効なのではないかな。

    西側がしくじったのは、大口径にしちまった為もあるのでは? ただでさえ携行弾数が限られてるところに、砲弾デカいわさらにデカいミサイルも載せなきゃ、って厳しいでしょ。それで他の機器の容積や重量が制約されてトラブルを誘発してたのかもよ。