「天ぷら油」で列車、バスが走る 「バイオディーゼル」普及はあるのか?

鉄道車両より小さなバス、クルマならOK?

 バイオディーゼル燃料をバスや公用車、ゴミ収集車などに生かしている自治体もあります。その先駆として取り上げられることが多いのが京都市。「京都議定書」が採択された1997(平成9)年の第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)開催を契機に、同年から使用済み食用油の回収とバイオディーゼルの製造を開始し、2018年11月現在も市営バスとゴミ収集車、それぞれ100台以上に利用しています。

「資源循環、地球温暖化対策に資する取り組みとして始めました。地域の皆様のご協力もあり、いまでは回収拠点も市内1800か所以上を数えるなど、循環がうまくつながっています」(京都市地球温暖化対策室)

 京都市では基本的に、市営バスには軽油に食用油を5%配合したものを、ごみ収集車には濃度100%のものを使用してきました。しかし車両の進化にともない、これまでのやり方にも変化が生じているといいます。

「近年、ゴミ収集車については更新のタイミングで、濃度100%のバイオディーゼルから5%のものに切り替えています。最近のエンジンでは100%のバイオディーゼルは使用できず、今後も使用が減っていくことが予想されます」(京都市地球温暖化対策室)

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車庫に並んだ京都市営バス(2018年11月、中島洋平撮影)。

 なお京都市地球温暖化対策室によると、食用油の配合率が5%までのバイオディーゼルは「揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)」により品質が保証されており、軽油よりもパワーが劣るようなこともないといいます。しかし、濃度100%のバイオディーゼルはその対象外で、エンジンのメーカー保証も受けられないとのこと。

 また食用油の回収、燃料の精製を含め、コストは軽油と比べて2割から3割高く、濃度100%のバイオディーゼル燃料を使用しているごみ収集車では、エンジンオイルの交換頻度が通常よりも高いそうです。

 ちなみに、京都丹後鉄道が2017年から一部の駅に回収ボックスを設置して廃油回収事業を開始しましたが、コスト面から列車にバイオディーゼル燃料は使用しておらず、精製業者に廃油を提供する収益を、駅や沿線の維持管理に生かしているといいます。

 京都丹後鉄道の親会社であるウィラーによると、仮にバイオディーゼル燃料を使って運転するとしても、エンジン、ゴム、樹脂などへの影響を考慮し、食用油の配合率を5%以下にするとのことです。

【了】

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コメント

2件のコメント

  1. ペットボトル等の「リサイクル」と同じで、無理に再生利用するのではなく、ごみの焼却場で一緒くたに燃焼させ、その時に発生した「熱・エネルギー」を発電などにまわすのが合理的では?

  2. おぉー。どなたかが質問箱で質問されてました。
    事情が詳しくわかって感慨深いです。なかなか先駆的なことを始めたり、メーカーに理解と協力を求め、それを軌道に乗せる難しさに課題は山積みですが、丹鉄の今できることや継続できることを模索しながら取り組むひたむきさや探究心にはすごいなと感心しました。失敗に終わっても新たな省エネ対策の起爆剤になったのかなと思いますね。