「高級バスツアー専用車」続々のワケ 「格安ツアー」衰退、再び加速する豪華志向

貸切バスの常識を覆すような豪華設備を持った、高級ツアー専用バスが次々に登場しています。過去の高級バスブームから一転、格安を売りにしてきたバスツアー業界で、再び高級志向が強まっているのです。

発掘急げ! 「次のバスツアー」

「ゆいプリマ」は、神姫バスツアーズが立ち上げた本物志向の旅ブランド「真結(ゆい)」専用車両でしたが、2018年からは「旅学人(たびがくと)」ブランドにも活用されるようになりました。「旅学人」は、専門家の監修により、「学び」つまり知的好奇心を満たすことをコンセプトにしています。

 バスツアーのテーマは、歴史や芸術など知的好奇心を追求するもののほか、スポーツ体験、健康志向などますます細分化するでしょう。そのなかには、「旅学人」のように豪華車両が旅の演出として重要なものもあれば、コース内容を重視し車両にはこだわらないものもあるでしょう。すべてが豪華車両になるわけではなく、一般車をベースに「トイレ付き」「ちょっとゆったり」という風に車両も多様化すると考えられます。

 ただし、これら高級バスツアーには課題も残ります。ここに挙げたツアーの多くは、中高年層、とりわけ定年退職後の「団塊の世代」を主なターゲットをしていることです。

 人口が多く団体ツアー志向も強い同世代が重要な顧客であることは間違いありませんが、その次の世代に向けたバスツアーのあり方を、旅行業界は早く見つけ出す必要があります。「出発から帰着まで同行する従来型のツアーではなく、現地の旅行会社が現地集合のツアーを企画することで、地元視点でテーマごとに細分化されたツアー(着地型ツアー)が実現するはず」と言われ続けていますが、大きな成功事例を作ることができていません。

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海沿いを走るクラブツーリズム「ロイヤルクルーザー四季の華」(成定竜一撮影)。

 一方で、「高級バスツアー専用車」以外の豪華車両も登場しています。たとえば札幌観光バスの「クールスター」は、マイクロバスを改造した高級車両です。少人数のチャーターに対応しており、主に北海道を訪れる海外の富裕層をターゲットにしています。

 事故対策が進み以前のように低運賃(価格)で他社と差をつけることが難しくなっているなか、貸切バス事業者が自らのブランド確立を目指すために、フラッグシップ車両を導入する事例が増えることも考えられます。旅行業界も貸切バス業界も、多様化を進め、個性的な商品を作ることを求められているという課題は共通しているのです。

【了】

【写真】車内にバーカウンターも 豪華ツアーバスいろいろ

Writer:

1972年兵庫県生まれ。早大商卒。楽天バスサービス取締役などを経て2011年、高速バスマーケティング研究所設立。全国のバス会社にコンサルティングを実施。国土交通省「バス事業のあり方検討会」委員など歴任。著書に『高速バスのビジネス』(成山堂書店)、『「マーケティング感覚」の実装力』(同文舘出版)。新聞、テレビなどでコメント多数。

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コメント

3件のコメント

  1. 何と匙加減に欠ける企画やら、元々は格安ツアーなんていうのは垂れ流し事業認可の成の果ての姿はずなのだが

    如何にもそれらしい規制で市場を安定させたか?なものの言い様だが所詮は一応に名前だけ知れ渡っているデザイナーを殺陣にしただけの価値観の欠片もない高級思考への誘導なだけだろうに

    日本の大型車枠で妙な改造加えて審査に欠ける認可を追い風に馬鹿みたいな車を走らせると事故の時に被害が拡大するだけだろ

    以前も窓枠を広く取った強度不足のバスが東名の事故で屋根がもげた事故があったろうに、しかしながら格安の裏返しが高級バスとは何と微調整の効かない企画だことよなw

  2. 旅行会社もバス会社も企業として利益を上げなければならず、稼働率を取るか利益率を取るかで商品を販売するでしょうから

    稼働率は低くても利益率の高い高級志向ツアーの方が儲かるのであれば、バス運転手確保もままならない今、

    従来型バスツアーの市場が縮小傾向にあるのも仕方ないのかなと思います。

    ところで、15年ほど前に新婚旅行で5泊6日50万くらいの道東ツアーにいきましたが

    バスはエアロクイーンかなんかの観光バスを改造した特殊バスでした。

    最近の「何とかデザイン」のようなバスではなかったですが、当時としては斬新だったらしく、

    北海道の長時間移動はそれなりに快適でしたので、対価を支払う重要さは実感しました。

  3. 高級バスツアーではなく70インチリムジンを寄越して欲しい。

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