「高級バスツアー専用車」続々のワケ 「格安ツアー」衰退、再び加速する豪華志向

貸切バスの常識を覆すような豪華設備を持った、高級ツアー専用バスが次々に登場しています。過去の高級バスブームから一転、格安を売りにしてきたバスツアー業界で、再び高級志向が強まっているのです。

夜行バスとはひと味違う、貸切バスの豪華志向

 近年、高速バスで豪華な設備を売りにした車両が登場していますが、こうした動きが貸切バス業界でも活発化しています。

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2019年1月デビューの「クラブツーリズムファースト」車内。運行はケイエム観光バスが担当(画像:ケイエム観光バス)。

 バスツアーを数多く企画している旅行会社クラブツーリズムは、2019年1月から、車内にバーカウンターを備えた豪華バス「CLUB TOURISM FIRST(クラブツーリズムファースト)」を使用するツアーを始めました。

 同車は、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」を担当したことで有名な工業デザイナー水戸岡鋭治さんがデザインしました。内装には木材を多く使用し車内はクラシカルな雰囲気で、客席は18席(横3列、前後6列)に絞られています。同車を使い、「東京発着で東北地方を周遊する8泊9日 45万円~」といった高級ツアーが設定されています。クラブツーリズムでは、これまでも「ロイヤルクルーザー四季の華」といった高級車両を保有してきましたが、この「クラブツーリズムファースト」は一段と豪華な車両になりました。

 クラブツーリズム以外でも、2016年から神姫観光バス(兵庫県姫路市。旅行会社としては神姫バスツアーズ)が同じく水戸岡さんデザインの「ゆいPRIMA(プリマ)」を運行しており、2017年にはJTBも、わずか10席の「ロイヤルロード・プレミアム」新型車両を導入しました。また2019年4月からは、奈良交通が「朱雀(すざく)」を、阪急交通社が「クリスタルクルーザー『菫(すみれ)』」をそれぞれ投入する予定です。

 こうしたバスの豪華志向は、2006(平成18)年ごろから高速バス、特に夜行高速バスの分野で目立ってきましたが、「眠る」ことが目的であるため専有面積やプライバシー確保に注力しており、内装デザインはむしろシンプルです。しかし、高級ツアー向けの貸切バス豪華車両は、移動時間そのものを楽しめるよう華やかな内装で、「乗ってみたい」と思わせるものがあります。

【写真】車内にバーカウンターも 豪華ツアーバスいろいろ

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コメント

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3件のコメント

  1. 何と匙加減に欠ける企画やら、元々は格安ツアーなんていうのは垂れ流し事業認可の成の果ての姿はずなのだが
    如何にもそれらしい規制で市場を安定させたか?なものの言い様だが所詮は一応に名前だけ知れ渡っているデザイナーを殺陣にしただけの価値観の欠片もない高級思考への誘導なだけだろうに
    日本の大型車枠で妙な改造加えて審査に欠ける認可を追い風に馬鹿みたいな車を走らせると事故の時に被害が拡大するだけだろ
    以前も窓枠を広く取った強度不足のバスが東名の事故で屋根がもげた事故があったろうに、しかしながら格安の裏返しが高級バスとは何と微調整の効かない企画だことよなw

  2. 旅行会社もバス会社も企業として利益を上げなければならず、稼働率を取るか利益率を取るかで商品を販売するでしょうから
    稼働率は低くても利益率の高い高級志向ツアーの方が儲かるのであれば、バス運転手確保もままならない今、
    従来型バスツアーの市場が縮小傾向にあるのも仕方ないのかなと思います。

    ところで、15年ほど前に新婚旅行で5泊6日50万くらいの道東ツアーにいきましたが
    バスはエアロクイーンかなんかの観光バスを改造した特殊バスでした。
    最近の「何とかデザイン」のようなバスではなかったですが、当時としては斬新だったらしく、
    北海道の長時間移動はそれなりに快適でしたので、対価を支払う重要さは実感しました。

  3. 高級バスツアーではなく70インチリムジンを寄越して欲しい。