LA騒然、夜のビル街を飛ぶ漆黒の影! その正体、米陸軍「ナイトストーカーズ」とは?

過去の失敗を糧に創設されたエリートパイロット集団

「ナイトストーカーズ」では現在、兵員輸送用に主としてMH-60「ブラックホーク」、MH-47「チヌーク」という2機種のヘリコプターを運用していますが、これらの機体には、通常の軍用ヘリコプターが装備していないような高性能暗視装置やレーダー、さらに空中給油を受けるための装置や敵ミサイルの追尾を妨害する自機防御装置などが装備されていて、こうした面からもほかの部隊との違いが明確になっています。

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「ナイトストーカーズ」の兵員輸送用MH-6。機体両側面にロケット弾などを装備したAH-6というタイプもある(画像:アメリカ陸軍)。

 この「ナイトストーカーズ」、じつは1980(昭和55)年にイランで実施された、ある作戦の失敗が契機となって創設されました。発端となったのは、1979(昭和54)年に発生した「在イランアメリカ大使館人質事件」です。

 これは、イランの首都テヘランにあるアメリカ大使館が反米グループにより占拠され、多数の大使館職員が人質にされたという事件で、2012(平成24)年に公開されアカデミー賞も受賞した、映画『アルゴ』の題材にもなっています。

 この事件を解決するために、アメリカ軍はヘリコプターで特殊部隊をテヘランへと送り込み、人質を救出する「イーグルクロー作戦」を実行しました。ところが、作戦の途中で参加した機体同士が接触するなど問題が続発し、最終的に作戦は中止されてしまったのです。

 その後、アメリカ政府はこの作戦の問題点を検証するための委員会を開き、このような特殊な任務をこなせる専門部隊を創設することが提唱されました。その結果、誕生したのが「ナイトストーカーズ」です。

 創設以来、「ナイトストーカーズ」はその規模を増強しつつ、1983(昭和58)年の「グレナダ侵攻」や、2003(平成15)年に始まった「イラク戦争」など、アメリカが関わる全ての紛争に参加してきました。最近(2019年2月現在)では、切り立った山岳地帯など厳しい環境の広がるアフガニスタンにて、対テロ戦争を戦うアメリカ軍の兵士を輸送、回収するという重要な役割を果たしています。

 ちなみに、「ナイトストーカーズ」のモットーは「Night Stalkers Don't Quit(ナイトストーカーズは諦めない)」で、いかなる困難な状況であっても決して任務を諦めないという意思が、この言葉に集約されています。

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