生活環境から眺める「海自P-1哨戒機」という職場 長時間飛ぶ飛行機だからこその特徴は
急患輸送ではどう運ぶの?
P-1は、離島における急患輸送を目的とした「災害派遣」へ、年に何回か出動しており、2018年12月には2日と8日に出動しています。いずれも小笠原諸島の父島で発生した急患で、まずは航空自衛隊のUH-60Jヘリコプターによって硫黄島へと運ばれたのち、P-1によって厚木基地へ送られました。
こうした急患輸送においては、患者が生死の境にあることが多いため、同乗した医師が治療しやすいよう、ギャレーよりも少し機首側の比較的広い区画に、ストレッチャーを固定するそうです。
仮眠用ベッドはおろか休憩室さえ使えず、トイレ以外の休憩時間もないという哨戒機の任務は、大変ではないのでしょうか。「一定期間内における飛行時間の制限が定められており、機を降りてからは必ず休養があります」と小笠原1尉は説明します。
こうした事情は国際線を飛ぶ旅客機においても同じです。旅客機は飛行時間のほとんどを高高度の巡航に費やしますから、パイロットは長時間ほとんど変化しない計器を監視し続けなくてはなりません。一方で、哨戒機は洋上を監視したり対潜水艦任務が与えられたりすることも有ります。哨戒機の飛行は変化に富む一方で、ワークロード(仕事量、作業量)自体は旅客機の乗務員よりも増えてくるはずです。
もちろん、どちらも大変な仕事であることに変わりはありませんが、役割の違いからくる「疲労のポイント」は異なってくるはずです。「長時間、様々なことをやらなければならない負担」は、哨戒機搭乗員特有の厳しさがあるといえるでしょう。
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