変わる戦闘機の「あり方」 世界中で進む僚機の無人機化、遅れる日本の将来は…?

無人航空機の実用化が進み、有人戦闘機の戦い方も大きく変わろうとしています。世界各国やメーカーの描く戦闘機の将来計画からは、「戦闘機」という存在そのものの変化すら見て取れ、そして具体化に向け、すでに動き始めています。

後れを取った日本、防衛省が模索するロードマップは…?

 日本では2010(平成22)年8月に防衛省が発表した、「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」で、戦闘機と無人航空機を協働させる構想が示されています。

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防衛省の「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」における将来戦闘機の運用概念図。無人航空機との協働構想が示されている(画像:防衛省)。

 航空自衛隊は、通常は練習機として使用しているため戦闘機の保有上限を定めた「定数」にカウントされないF-15DJとF-2Bを含めて、約350機の戦闘機を保有していますが、1000機以上を保有する中国、800機以上を保有するロシアはもちろん、400機以上を保有する韓国にも、数の上では及びません。上述の研究開発ビジョンでは、戦闘機と無人航空機の協働を、数的劣勢を補うための手段のひとつと位置づけています。

 また同ビジョンでは、戦闘機と無人航空機の協働技術が実用化される時期を2040年代から2050年代としていましたが、防衛省は厳しさを増す日本の安全保障環境や、各国の動向などを考慮して、2016(平成28)年8月に発表した「将来無人装備に関する研究開発ビジョン」で、2046年には実用化する方針を示しています。

 ただ、残念ながら日本は、無人航空機の分野では先進諸国に比べて遅れをとっており、防衛省は独自の研究開発を進める一方で、外国との協力も模索しています。同省は、2017(平成29)年3月にイギリス国防省と締結した、将来戦闘機における協力の可能性をさぐるための情報と意見の交換を行なう取り決めで、有人戦闘機だけでなく、無人航空機を含めた「将来戦闘航空システム」についても、日英両国の協力の可能性を探っていくことを明らかにしています。さらにアメリカなどの国々とも、将来戦闘機と将来戦闘航空システムの協力について話し合う方針を示しています。

 冒頭で触れた「ボーイングATS」は、オーストラリア空軍だけでなく、オーストラリアの同盟国や友好国への輸出も想定されており、ボーイングは導入国が自国の運用要求に応じて、無人航空機に自国のシステムを搭載できると述べています。おそらく防衛省は、事実上の準同盟国であるオーストラリアの主導で開発される「ボーイングATS」についても、協力に向けた話し合いを進めていくのではないかと筆者(竹内修:軍事ジャーナリスト)は思います。

【了】

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