【「平成」と乗りもの】高速バスの乗客、バブル期は都会に焦がれた若者 30年後の車内は

高速バスはまず「地方から都会への足」として定着し、平成を通じて大きく成長しました。豪華志向のバブル時代から、エコノミー志向のデフレ時代へと移り変わるなか、利用者や車両も多様化。いま高速バスは、通勤や外国人旅行者の移動手段としても選ばれています。

「大都市~大都市」路線が急成長したワケ

 1990年代前半のバブル崩壊以降、東京湾アクアライン(1997年)や明石海峡大橋(1998年)の開通にともなう新路線を除けば、全国的に見ると新規開業はひと段落します。多くのバス事業者が自社エリアの中心市街地に多く保有していた不動産の価格が、バブル崩壊後に下落し経営を圧迫していたのです。高速バス事業でも、車両のグレードダウンなど弱気な施策が目立ちました。

 2000(平成12)年には道路運送法が改正され(施行は2002年)、高速バス分野への新規参入が自由とされました。一方、高速バス運行に不可欠な停留所を、新規参入者が確保するのは大変困難で、事実上の参入障壁として残ります。その結果、新規参入は福島~仙台間など一部の事例にとどまりました。「大手運送会社らが高速バス事業に参入してくるのでは」と戦々恐々だったバス業界は胸をなでおろしますが、2006(平成18)年ごろから新しい変化が起こります。

Large 20190413 01
高速ツアーバスとしてスタートし、乗合バスに移行した「JAMJAMライナー」東京~仙台便(2018年12月、中島洋平撮影)。

 それが、「高速ツアーバス」と呼ばれる事業モデルです。募集型企画旅行(バスツアー)という形態を採りながら、実質的には都市間移動サービスを提供するもので、法的には旅行会社が貸切バスをチャーターするという形態。したがって停留所は必要なく、既得権は関係ありません(利用客には「〇〇銀行前」などと「集合場所」を指定)。2002(平成14)年に容認された直後はニッチ商品に過ぎなかったものの、2005(平成17)年末に大手旅行予約サイトが「高速ツアーバス」の取り扱いを開始したことを機に、急成長を始めます。

「高速ツアーバス」は、従来の高速バスが苦手としていた「大都市と大都市を結ぶ路線」の市場をウェブマーケティングによって開拓し、成功を収めます。たとえば首都圏~仙台間の高速バス(高速ツアーバスを含む)輸送人員は、2006(平成18)年からの6年間で5倍以上に伸長しました。

この記事の画像をもっと見る(6枚)

【高速バス特集】もっと格安・快適に移動したい! 高速バス予約のコツと乗車のポイントを徹底紹介

最新記事

コメント

2件のコメント

  1. 新幹線の路線拡充はやむ無しだけど、格安飛行機はいらないと思う。

    格安って言っても所詮、条件付きだし。

  2. >高速バスは毎日1万5000便が運行され、年間輸送人員は1億1500万人、

    >航空国内線を2割ほど上回るまでに成長しました

    すごいねえ

    今後は高速の自動運転化が進むし、安全性も飛躍的に向上していくだろう

    同じ理由で渋滞も減少するから、定時性も向上する

    新幹線から高速バスへ逆戻りする客も確実に増えるだろうなあ

記事ランキング

  1. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  2. 「断固たる措置を講じる」首都高公式ブチギレ! 「公平性を著しく損なう」非常識ドライバーに“鉄槌”…一体何が?
  3. 「知らなかった!」SNSで話題に 高速道路の“2つ並んだ赤い三角コーン”、実は超重要な「ある合図」だった! NEXCO公式が投稿
  4. 神奈川県警の“バイクは自転車レーン走るな”投稿にツッコミ殺到! 「自転車にも車にもバイクにも迷惑です」…何が問題に?
  5. 史上最大の軍艦より135mもデカい!? 旧海軍「大和」を凌ぐ『エースコンバット8』の新ボス「陸上戦艦」の衝撃スペックとは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号