【「平成」と乗りもの】廃止続いたローカル線 令和は「新しい交通体系」考える時代に? 見えた光

「公有民営」はローカル線を救うのか?

 しかし結果的に、平成の30年間でローカル線を取り巻く環境はいちだんと厳しさを増し、先述のように廃線になった例も少なくありません。

「優等生」だった三陸鉄道も、周辺の道路整備が進んだことや沿線人口が減ったことなどにより、利用者が減少。無償で貸し付けられていた線路も、日本鉄道建設公団の組織改編にともない、譲り受けて自社の所有資産となったため、固定資産税が経営を圧迫しました。

 そのため同社は、1993(平成5)年度には初めて赤字を計上。以後は厳しい経営が続いており、2009(平成21)年には「公有民営」の経営に移行しています。

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鳥取県の若桜鉄道は、施設の「公有民営」に移行して数年間は黒字を達成した(2017年1月、草町義和撮影)。

「公有民営」とは、施設の全部または一部を沿線の自治体が保有し、運行事業者に無償で貸し付ける経営方式のことです。鉄道を維持するための費用の大半が「自治体持ち」になるため、鉄道事業者は経費を大幅に減らすことができます。1987(昭和62)年の開業以来赤字だった若桜鉄道(鳥取県)も、公有民営に移行した2009(平成21)年度から2011(平成23)年度までは黒字になりました。

 しかし、沿線の自治体は施設の維持費を払わねばなりません。ローカル線を抱える自治体の多くは財政規模も小さいため、負担の増加に難色を示すことが多く、これが公有民営化するうえでの課題になっています。

【画像】こんなに減った… 目で見る北海道路線網の変遷

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コメント

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1件のコメント

  1. バブル絶頂だった平成初頭ではあまり想像もつかなかった少子高齢化と人手不足。。。
    令和初頭はコストがかからない無人運転なんかが主体になっていくのだろうか。