「弱冷房車」ほかの車両より何度高い? 路線や車両によって変化

都営大江戸線の設定温度が低い理由

 関東のおもな私鉄の弱冷房車も会社や路線によって異なりますが、通常の冷房車の設定温度は25~26度、弱冷房車は27~28度が多くなっています。

 小田急電鉄は「一部の車両は設定が異なりますが、弱冷房車は28度、それ以外の車両は26度です。当社車両の車内環境に鑑み、一番快適と思われる温度に設定しています」(CSR・広報部)としています。原則として通常冷房車が25度、弱冷房車が28度の東急電鉄は「相互直通先の鉄道会社との協議で設定温度を決めています」(広報部)と話しました。

 都営地下鉄は浅草線、三田線、新宿線の通常冷房車が25度、弱冷房車が28度で設定されていますが、大江戸線の設定温度は通常の冷房車が22度、弱冷房車が26度と、全体的にかなり低め。東京都交通局の広報課は取材に対し、「大江戸線は車両が小さく、お客さまが大勢乗ると空気の流れが悪くなって体感上の温度が高くなるため、冷房を強くしています」と話しました。

 ちなみに、冬でも天候が良好で気温が高いときには、まれに冷房装置から冷気が吹き出ていることがあります。「冷房装置の温度設定は季節を問わず同じで、冬場に冷房を使うときでも、弱冷房車はほかの車両より温度を高くしています」(東急電鉄広報部)。

 なお、おもに冬季に使われる暖房装置は、取材したすべての鉄道会社が「全車両、同じ温度で設定しています」と回答。一部の車両のみ設定温度を弱めたり強めたりすることはないとしています。

【了】

【写真】そもそも冷房がない! 千葉「ユーカリが丘線」の電車

Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)

鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。

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コメント

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3件のコメント

  1. 京浜東北線の設定温度が24度ってマジかよ。そんなに涼しいと思ったことはない。

  2. 阪急の通常冷房車は30度、弱冷房車は40度ぐらい感じてます!

    • 阪急はこんな感じだな
      真夏なのに冷房きいてないから乗客が窓を開けるイメージ