海自P-1哨戒機を知り尽くす「FE」というお仕事 民間機では消えた役職がいまだあるワケ

「FE」は「フライトエンジニア」の略で、日本語では「航空機関士」あるいは「機上整備員」と呼ばれるポジションです。民間機におけるFEは姿を消して随分になりますが、海上自衛隊のP-1哨戒機においては、いまなお重要なポジションです。

民間旅客機などでは見なくなった「FE」というお仕事

 航空機を飛ばすにあたり欠かすことのできない搭乗員といえば、誰しもまずパイロットの存在を思い浮かべることでしょう。実際、現在の航空機は単座戦闘機などの軍用機を除けばほぼ100%、2名のパイロットが搭乗する「ツーマンクルー」という体制によって運航されています。

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横井海曹長はこれまで搭乗した機体で、甲乙はつけがたいものの、機上でもトンカチが必要だったYS-11での経験が一番面白かったという(2018年12月6日、関 賢太郎撮影)。

 かつてはもう1名の搭乗員「航空機関士(FE)」が必要でしたが、コンピューターの発展などから2名のパイロットだけでの運航が可能になり、たとえば旅客機であるならば現在、ANA(全日空)にもJAL(日本航空)にもツーマンクルーではない飛行機は1機もありません。また主要な航空機メーカーも、あえて航空機関士を必要とする航空機を造っていません。

 ところが海上自衛隊に配備が進んでいるP-1哨戒機は、現在も生産中の新型機であるにもかかわらず、航空機関士に相当する「機上整備員(FE)」と呼ばれる搭乗員が必ず1名乗務しています。しかもP-1と同時に開発され機体の一部が共通化されている、航空自衛隊のC-2輸送機はツーマンクルーであるにも関わらずです。なぜ海上自衛隊では、ほかの航空機では見られなくなった機上整備員という搭乗員を、あえてP-1に残し続けているのでしょうか。

 海上自衛隊 厚木基地(神奈川県)第4航空群第3航空隊においてP-1の機上整備員を務める、横井貴信 海曹長(取材当時)にその理由を聞いてみました。

「P-1は高高度を飛びますが、哨戒機ですので、捜索エリアにおける戦術機動飛行となると低高度まで下がることがあります。パイロットは、たとえるなら1車線道路を300km/hで走る緊張感の中、機の操縦に加えて各種装置への入力であるとか、戦術の立案であるとか、また本隊へ向けての電報の起案とかも考えなくてはなりません」(横井海曹長)

 横井海曹長は哨戒機ならではの特異な飛び方について説明したのち、さらに機上整備員の具体的な役割について、「こうなるとやはりパイロットだけではなく航空機全体のシステムやエンジンの状況、電子機器の状況を見るという役割をおもに担当する機上整備員が必要となってきます。P-1においては、低高度でより安全に任務を遂行するために機上整備員が存在していると、私は考えています」と続けました。

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