江古田は「えこだ」「えごた」? 西武と都営で異なる駅名の読み、なぜそうなった

西武池袋線の江古田駅は「えこだ」、対して都営大江戸線の新江古田駅の江古田は「えごた」と読みます。地名としては「えごた」が正しいようですが、なぜこのような違いが生まれたのでしょうか。

練馬の「えこだ」は駅名から広まった?

 実は練馬区の江古田駅周辺も、かつての地名は「江古田」でした。もともとこの地域は「江古田新田」と呼ばれた「江古田」の分村で、江古田駅のある練馬区旭丘も、1960(昭和35)年までは「江古田町」という名だったのです。ただし、練馬区の歴史資料館である石神井公園ふるさと文化館によると、この読みは「えごたちょう」とのこと。

「練馬区内でも、練馬の『江古田』も含めて『えごた』と呼ぶ人は少なくありません。『えこだ』の呼称は、西武鉄道の駅名から広まっていった可能性が高いでしょう」(石神井公園ふるさと文化館)

 西武鉄道によると、江古田駅は大正時代に開業した当初から「えこだ」だったそうですが、「明確な資料は残っていないものの、もともと練馬側で『えこだ』と呼ぶ傾向があったため、駅名もそのようになったそうです」とのこと。中野区歴史民俗資料館も、「中野区側の江古田の本村と区別するため、『えこだ』と呼んでいたと聞いたことがあります」といい、石神井公園ふるさと文化館によると、「江古田町」から「旭丘」への改称も、中野区の江古田と区別するためだったそうです。

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都営大江戸線の新江古田駅。読みは「しんえごた」(2019年6月、乗りものニュース編集部撮影)。

 練馬区の「江古田」は江戸時代には豊島郡に、中野区の「江古田」は多摩郡に属するなど、両地域は距離としては比較的近いものの、行政区域は異なっていました。そうしたなかで、練馬側の「江古田」が慣習的に「えこだ」と呼ばれて中野側の江古田と区別され、駅名にもそれが反映されたことで、広く定着していったのかもしれません。

 ちなみに、「えこだ」「えごた」の違いは鉄道の駅名だけでなく、バス停名でも見られます。たとえば、西武線江古田駅の南側にある国際興業バスと都営バスの「江古田二又」バス停は練馬区内に位置しますが、国際興業バスでは「えこだふたまた」と読むのに対し、都営バスは「えごたふたまた」と読みます。

【了】

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