陸自73式装甲車が半世紀近く現役のワケ ほかの車両で代替できない、その役割とは?

謎の電子戦型ほか、派生型も現役稼働中

 移動指揮所として使用された73式装甲車の一部には、屋根を拡張して中で人が立てるようにしたものもありました。

 そうなのです。実はこの車両の車内は、天井高が低く立ち上がることができないのです。最大車高は2.21mとなっていますが、車内の高さはそこまでなく、中腰くらいにしかなれません。そのため、簡易的に屋根を作り、そこの空間だけは立ち上がることができるようにし、少しでも仕事のしやすい環境を作っているそうです。

 ほかにも、地雷を処理する装置を取り付けたり、一見すると何に使うのかよくわからないアンテナを搭載したりした車両があります。この「よくわからないアンテナ」が搭載された73式装甲車を運用する部隊のひとつが、第7師団隷下の第7通信大隊です。部隊紹介を見てみると、北海道周辺を飛び交う様々な電波情報の収集などを行っているようですが、具体的に何をやっているのかは秘密のベールに包まれています。

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迫撃砲分隊の背後に73式装甲車。車内の天井の低い様子がうかがえる(武若雅哉撮影)。

 このように、北海道を中心としていまだに現役で活用されている73式装甲車ですが、将来的に後継となる新型装軌式装甲車が登場してくるという話は、まだ聞きません。戦車に追従することができる汎用装軌装甲車として、これからも大切に使われ続けていくでしょう。

【了】

【写真】具体的に何をしているかはヒミツ、73式装甲車の電子戦仕様

Writer: 矢作真弓/武若雅哉(軍事フォトライター)

2003年陸上自衛隊入隊。約10年間勤務した後にフリーフォトライターとなる。現場取材に力を入れており、自衛官たちの様々な表情を記録し続けている。「SATマガジン」(SATマガジン編集部)や「JWings」(イカロス出版)、「パンツァー」(アルゴノート)などに寄稿。

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コメント

3件のコメント

  1. 昔不法改造して73式装甲車の天井が高い指揮司令車が1回だけ世間に出たことがあるな。
    なお、財務省から”予算を受けて買ったものを勝手に改造してはいけない。”と文句を言われて元に戻したことがあったけどな。

    • なんだその「天皇陛下から賜った装備を勝手に改造とは不敬である!」みたいなわけわからん難癖は……。

  2. この手の装軌式車両が必要とされてないから新規開発してないんでしょ。本当に必要だったら放置されてないよね。防衛省も他の国も必要とされてないから減っていく一方。まずその事実を踏まえて記事にするべきだったな。必要とされて無いんだよ。なぜ必要とされなくなったかが重要で、記事にしないと古い車両の郷愁だけになってしまっている。