「忘れ物はありませんか」声で知らせる高速SA・PAのトイレ 忘れ物対策が進化中

時間を要していたトイレの忘れ物捜索

 これらシステムが開発された背景には、個室トイレにおける急病人対応の難しさ、そして遺失物の問い合わせ件数の多さがあります。個室内での急病人は、発見まで相応の時間が経過してしまう場合があるほか、遺失物に関する問い合わせはNEXCO中日本管内で2017年度に2万件を超えており、その多くがトイレ内で発生しているそうです。

「トイレで忘れ物をして、その場所を覚えていないというお問合せがあった場合は、SA・PAのエリアキャスト(清掃スタッフ)やコンシェルジュ(休憩施設の案内係)が1室1室開けて調べることもあり、時間を要します。この業務の削減とともに、お客さまの忘れ物防止に役立つことができればと考え、『アウトラインセンサ-』の開発をスタートしました」(NEXCO中日本)

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NEXCO中日本がSA・PAのトイレに導入している「アウトラインセンサ-」の概要(2019年7月、恵 知仁撮影)。

 ちなみにNEXCO東日本北海道支社は道内のSA・PAにおいて、トイレ個室の内鍵のノブそのものを9×17cmの小物置き場にした「忘れ物防止トレイ」を導入しています。スマートフォンの忘れ物が多いことに着目し、個室を出ていく際に必ず見て触れる内鍵をその「置き場」にしてしまうという発想ですが、これにより忘れ物が減り、回収業務に要していた時間は従来の半分以下になったそうです。

 NEXCO東日本は、先の「トイレ忘れ物防止システム」や、この「忘れ物防止トレイ」の導入拡大も視野に、「SA・PAのトイレにおける忘れ物の処理には時間がかかるので、忘れ物そのものをなくす発想で、対策を検討しています」と話します。

【了】

【写真】これなら絶対忘れない? 個室の内鍵が小物置き場

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