明治通りの広い空き地、何のため? 総武線と京葉線つなぐ「幻の貨物線」その将来は

小型電車を走らせる構想はあるが…

 越中島貨物駅付近から現在の京葉線 新木場駅付近までは、明治通りに沿って建設。新木場駅付近からは、京葉線の建設予定ルートに沿って南西に進み、有明貨物駅に至ります。ちなみに、有明貨物駅は現在の東京臨海高速鉄道りんかい線 国際展示場駅付近に建設することが考えられていました。

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明治通りに沿って確保された南砂町線の敷地(2014年6月、草町義和撮影)。

 しかし、陸上の貨物輸送の主役が鉄道からトラックに移り、さらに東京の湾岸開発が工場から住宅に変わったため、貨物線の計画は縮小されてしまいます。京葉線は、東京駅と千葉方面を結ぶ旅客列車が走る通勤路線の計画に変わり、現在の新木場駅から川崎方面の工場地帯に抜けるルートの工事は凍結。南砂町線も建設用地は確保されたものの、工事に着手することはありませんでした。

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りんかい線も京葉線の一部として建設された高架橋やトンネルを活用して整備された(2013年8月、草町義和撮影)。

 その後、京葉線の工事凍結区間は臨海副都心のアクセス路線として活用されることになり、1996(平成8)年に東京臨海高速鉄道の臨海副都心線(りんかい線)として新木場~東京テレポート間が開業しましたが、南砂町線の建設用地はいまも空き地のままです。

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総武本線と越中島貨物駅を結ぶ越中島支線。同線と南砂町線の建設用地を活用したLRTの構想がある(2014年6月、草町義和撮影)。

 江東区は亀戸~新木場間を結ぶ、軽量軌道交通(LRT)の整備を構想。越中島支線の線路と南砂町線の建設用地を活用して、路面電車タイプの小型車両を走らせることが考えられました。しかし、沿線の再開発が進んでいないことや、新木場駅付近にある道路に踏切を設けることが難しいなどの理由から、実現していません。

【了】

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