総火演に「19式装輪自走155mmりゅう弾砲」初登場 陸自の内情チラ見えなその特徴とは?

19式自走砲の特徴は?

 ベース車両はドイツMAN社製のHX44Mで、全長11.4m、全幅2.5m、全高3.4m。ドイツ車のため原型は左ハンドルですが、イギリスやオーストラリア、ニュージーランドにも輸出されているため右ハンドル仕様も用意されており、19式自走砲にはこの右ハンドル車体が用いられています。

 エンジンは排気量1万500ccの直列6気筒水冷ディーゼルを搭載し、変速機はなんと前進12段、後進2段のオートマチックです。

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19式装輪自走155mmりゅう弾砲の砲架部(2019年8月22日、月刊PANZER編集部撮影)。

 99式自走砲が装軌式(いわゆるキャタピラ式)で、装甲で完全密閉された車体と砲塔を持つのに対し、19式自走砲は基本的に大型トラックへ砲を積んだものであるため、比較すると後者はやはり、悪路走破性や防御力の点で劣ります。他方、99式自走砲は装軌式のため移動のスピードが出せず、また重量も40tあるため、長距離を移動する際は戦車輸送用の特大のトレーラー運搬車が使用されるなど、機動性は格段に劣るといえるでしょう。その点19式自走砲ならば、タイヤで走る装輪式なので一般道を民間のトラックと同じように通行することができ、同じ装輪式の16式機動戦闘車や96式装輪装甲車などに追従して行動することが可能です。

【写真】メカニカルな半自動装てん装置 ほか「総火演」で披露された「19式装輪自走155mmりゅう弾砲」の様子

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