総火演に「19式装輪自走155mmりゅう弾砲」初登場 陸自の内情チラ見えなその特徴とは?

夏の終わりの陸上自衛隊恒例行事「富士総合火力演習」にて、「19式装輪自走155mmりゅう弾砲」の試作品が初披露されました。従来の155mmりゅう弾砲などとの比較から、陸上自衛隊が目指すものや、その内情などが垣間見えます。

従来の155mmりゅう弾砲などと比較すると…?

 一方、旧式化した155mmりゅう弾砲(FH70)はトラック(中砲けん引車)によるけん引式だったので、移動こそ高速道路を使用することもできましたが、射撃までの準備や陣地変換はトラックから切り離して人力で行うため、時間がかかり、なおかつ操作する要員も8名と、99式自走砲の4名と比べて倍の人数が必要でした。

 また移動に際しても、「けん引式」ということはトレーラーなどと同じく、けん引する側のトラックを動かすには特別な免許が必要でした。それが19式自走砲ならば、8輪式とはいえ普通の大型トラックと同じ免許で運転でき、要員も前述したように5名で済むため、そこのメリットは大きいのです。

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16式機動戦闘車など、ほかの装輪式車両に追従できる機動性が特徴(2019年8月22日、月刊PANZER編集部撮影)。

 まとめると19式自走砲は、99式自走砲とけん引式である155mmりゅう弾砲(FH70)の、ちょうど中間の性能を有しているといえるでしょう。よくいえば両者のイイとこどり、悪くいえば中途半端ともいえるのですが、即応性と省力化を目指す一方で予算に余裕のない陸上自衛隊にとって、19式のような装輪自走砲はベターな装備であり、すでに2019年度予算において7両の調達が決まっています。

 なお、今回の「総火演」で披露された19式自走砲はあくまでも試作品であり、量産車はもう少しブラッシュアップされるのではないかと、案内説明役の自衛隊員は話していました。

【了】

【写真】メカニカルな半自動装てん装置 ほか「総火演」で披露された「19式装輪自走155mmりゅう弾砲」の様子

Writer:

1975(昭和50)年に創刊した、50年以上の実績を誇る老舗軍事雑誌(http://www.argo-ec.com/)。戦車雑誌として各種戦闘車両の写真・情報ストックを所有し様々な報道機関への提供も行っている。また陸にこだわらず陸海空のあらゆるミリタリー系の資料提供、監修も行っており、玩具やTVアニメ、ゲームなど幅広い分野で実績あり。

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