座れる通勤列車「京王ライナー」200万人達成 動物園線に直通の記念列車が走る
京王電鉄の“座れる通勤列車”こと「京王ライナー」がデビュー1年半で乗車人数200万人を達成。これを記念した臨時列車「200万人記念91号」が新宿~多摩動物公園間を走りました。特に朝の上り「京王ライナー」の人気が高いようです。
デビュー1年半で達成
京王電鉄の座席指定列車「京王ライナー」の乗車人数が200万人を突破。これを記念した臨時列車「200万人記念91号」が2019年8月24日(土)、京王線の新宿駅から動物園線のの多摩動物公園駅(東京都日野市)まで運転されました。
記念ヘッドマークを取り付けた5000系電車10両編成の「200万人記念91号」は午前10時48分ごろ、新宿駅を発車しました。400席以上ある座席の指定券は発売開始翌日(8月18日)に売り切れており、車内は満席。鉄道ファンで知られるお笑いグループ「ダーリンハニー」の吉川正洋さんや「ななめ45°」の岡安章介さん、フリーアナウンサーの久野知美さんも乗り、3人によるアナウンスイベントが行われました。
高幡不動駅で進行方向を変え、通常は乗り入れることがない動物園線に進入。終点の多摩動物公園駅には午前11時31分ごろ到着し、ここでも同駅の駅長を加えたトークイベントが行われました。
「京王ライナー」は2018年2月22日に運行を開始。あらかじめ指定券を購入して席を予約すれば、確実に座って通勤できます。ロングシートとクロスシートの両方に変換できる「デュアルシート機構」を搭載した新型車両の5000系を使用しており、「京王ライナー」として運行されるときはクロスシートで運転されます。
当初は新宿駅を20時以降(土休日は17時以降)に発車する京王八王子行きと橋本行きの下り列車のみ運行。2019年2月からは、朝の新宿行き上り列車の運行も始まりました。京王の担当者によると、平日の乗車率は夜の下りが8割、朝の上りは9割を超えており、ほぼ満席に近い状態とのこと。デビューから1年半後の2019年8月9日(金)、乗車人数200万人を達成しました。
東京の私鉄などでは近年、通勤客向けの座席指定列車が増えています。2017年に西武鉄道(東京メトロ線や東急線に乗り入れ)の座席指定列車「S-TRAIN」が運行を開始。2018年には「京王ライナー」や西武鉄道「拝島ライナー」の運行が始まったほか、一部の車両のみ指定席車にした東急「Qシート」も登場しました。
【了】
Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)
鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。
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