東海道・山陽新幹線「100系」どんな車両だった? 初2階建て 個室 カフェテリア 食堂車

2階建て車を導入できた理由

 新幹線のイメージを大きく変えた100系でしたが、その性能は0系とあまり変わりません。最高速度は0系と同じ210km/h。のちに0系は220km/h、100系は230km/hに引き上げられたものの、大差ないといえます。

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100系の2階建て食堂車(2019年4月、草町義和撮影)。

 ただ、100系はモーター1個あたりの出力が大幅にアップしたため、0系と同じ性能にするならモーターの数や、モーターを制御する装置などの機器類を減らせます。これにより客室スペースを大幅に広げることが可能に。2階建て車を導入したり、普通車の席の間隔を広げたりすることができ、編成全体の定員も0系より増えたのです。

 100系は1986(昭和61)年から本格的に量産され、国鉄が分割民営化された1987(昭和62)年以降もJR東海とJR西日本が追加で導入しました。

 JR東海の100系2階建て車は1両がグリーン車(2階)とカフェテリア(1階、軽食類の販売スペース)、残り1両は1階に個室を設けたグリーン車になり、食堂車がなくなりました。一方、JR西日本が1989(平成元)年に導入した100系は「グランドひかり」という愛称が付けられ、2階建て車が4両に。1両は食堂車で、残り3両は1階が普通車、2階がグリーン車でした。

 ちなみに、JR東海は1987(昭和62)年の発足後、東海道新幹線を舞台に遠距離恋愛をテーマにしたテレビCMの「シンデレラ・エクスプレス」や「クリスマス・エクスプレス」を展開して話題になりました。これらのCMに登場した車両が100系です。

 100系は1992(平成4)年までに合計1056両が製造されましたが、2000(平成12)年から廃車が始まりました。2004(平成16)年に東海道新幹線での運転を終了。その後は2階建て車を除いて4両か6両に短縮した編成が山陽新幹線で使われましたが、これも2012(平成24)年までに引退しました。いまはJR東海のリニア・鉄道館やJR西日本の京都鉄道博物館などで、先頭車と2階建て車が保存されています。

【了】

【写真】眺望良好! 2階建て食堂車の内部

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コメント

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4件のコメント

  1. 子供の頃憧れた車両です。
    山陽新幹線のこだま用に短編成化された分には乗車したことがありますが、2階建て車には遂に乗車することが叶いませんでした。
    ああ、一度乗車してみたかった!!

  2. 1993年秋に初めての出張で神戸に行った帰りの新幹線が100系だった。
    くたびれていて自由席の3人掛けで寝てきたが、後になって自腹でもグリーン車や食堂車を楽しまなかったのを後悔。

  3. 初めて乗ったのは西明石からの上りひかりで当時は入れ替え初期で編成も少なく100が入線してきた時は正直驚いたな、世間の電話がプッシュフォンに代わる時代に西明石ホームはダイヤル式の公衆電話で入ってきた列車は当時最新の100だからね、何だか一人で笑ったの覚えてるな
    普通指定席に乗車した感想はシートピッチが変わったのと妙に私鉄の特急のような車内が印象的だったな
    やはり100の16両は日本の宝だよな

  4. 確かに営業最高速度は230km/hで終ってしまったけど、270km/hを目指して走行試験が行われていたことも、このような記事には載せて欲しいな。