東北・上越新幹線「E1系」どんな車両だった? 初の全2階建て 愛称は「Max」 6列席も

付け方が変わった形式名と独自の愛称

 また、2階建てのためデッキと客室を結ぶ通路は階段で、車内販売のワゴンが通れません。そのため売店と自動販売機を充実させています。自動販売機では弁当を売っていましたが、利用者が少ない割に弁当の補充に手間がかかり、のちに撤去されました。

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田園地帯を走るE1系(画像:photolibrary)。

 ちなみに、1980年代以降の新幹線車両の形式名は100系、200系、300系というように数字3桁で表記し、E1系も当初は「600系」を名乗る予定でした。しかしこのころ、JR東日本は形式名の付け方を変更。アルファベットの「E」と数字を組み合わせることになったため、「600系」ではなくE1系を名乗ることになりました。「E」は「East」から取っています。

 また、E1系には「Max」という愛称も付けられました。車両が完成したときは「Double Decker Shinkansen」、略して「DDS」という愛称が付けられ、そのロゴマークも車体に描かれていましたが、営業運転の開始までに「Max」という愛称に変わっています。こちらは「Multi Amenity eXpress」の略です。

 E1系を使う列車は「Maxやまびこ」「Maxとき」というように、列車名に「Max」を冠しました。これはE1系に続いて製造された2階建て車のE4系電車を使う列車も同じ。「Max」はJR東日本の2階建て新幹線車両の代名詞になりました。

 E1系は1994(平成6)年から1995(平成7)にかけて72両(12両編成6本)が製造されたにとどまり、その後はE1系の改良タイプといえるE4系の製造に移行。2003(平成15)年のリニューアルに伴い、灰色と白、緑の車体塗装が青と白、ピンク(トキ色)に変わりました。2012(平成24)年に引退しましたが、先頭車1両が鉄道博物館(さいたま市大宮区)で展示されています。

【了】

【写真】「城壁」のようなE1系の車体

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