幻の北陸新幹線「加越トンネル」建設中止から20年以上、その名残いまも富山の山奥に

在来線特急が乗り入れる方式で着工

 スーパー特急方式は、トンネルや高架橋などを新幹線の標準的な規格(フル規格)で建設する一方、線路は在来線と同じものを敷いて、当面は在来線の特急列車を走らせるもの。フル規格に比べて速度は遅いものの、標準的な在来線よりは高速運転が可能で、所要時間も若干短縮できます。

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小矢部市内の宮島温泉近くに残る加越トンネル作業坑の入口(2011年11月、草町義和撮影)。

 また、スーパー特急方式で整備したあとにフル規格の新幹線を改めて整備することになったとしても、線路を敷き直すだけでフル規格にすることが可能です。フル規格で建設しながら当初は在来線の列車のみ走り、のちに北海道新幹線の列車も走るようになった青函トンネルと、よく似た方式といえます。

 運輸省が示した案では、高岡駅と西高岡駅のあいだにある在来線(北陸本線)と北陸新幹線(当初予定ルート)の交差地点にアプローチ線を整備。ここから金沢駅まで北陸新幹線をスーパー特急方式で整備し、前後の在来線を走る特急列車を乗り入れさせることが考えられました。こうして1989(平成元)、全長約6kmの加越トンネルの工事が始まりました。

 ただ、北陸新幹線をはじめとした整備新幹線の並行在来線は、新幹線の開業にあわせてJRから分離し、沿線自治体の第三セクターが経営を引き継ぐことになっていました。高岡~金沢間がスーパー特急方式で建設されれば、これに並行する北陸本線の高岡~金沢間の経営がJRから分離されることに。そのため、小矢部市など北陸新幹線の駅を設置する計画がない北陸本線の沿線自治体では、経営分離に対する反発が高まっていました。

【地図】北陸新幹線「幻のルート」と加越トンネル

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コメント

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2件のコメント

  1. トンネル所有者に取材しろよ。
    ニュースなんだろ。

  2. 並行在来線区間を短くする、だけしか言えないんだもの。ウィキペディアのコピペよりもレベル低いぜ?(しかも大半がコピペ的内容)
    やっぱり三流以下だよ貴方は
    草町氏はどんだけ媚び売ってるんだろうか。ほんといなくなってほしい
    と言うか、乗り物ニュースはトップページに記事名だけでなく著者名も書いてほしい。もう貴方の記事、読みたくないので。