幻の北陸新幹線「加越トンネル」建設中止から20年以上、その名残いまも富山の山奥に
「出口のないトンネル」活用策は?
そこで富山県は、スーパー特急方式の工事区間を石動~金沢間に変更することを提案します。こうすれば、北陸本線の経営分離区間も石動~金沢間に短縮され、富山県内でJRから分離される区間は県境部分のごく一部だけになります。
こうして1992(平成4)年、新ルートによる工事が始まりました。一方、加越トンネルは幅5mの作業坑(建設資材などを搬入するためのトンネル)が285m、幅9mの本坑(列車が走るためのトンネル)が300mほど完成しましたが、新しいルートは加越トンネルから大きく離れたため、工事は中止。1997(平成9)年、工事を担当した日本鉄道建設公団(現在の鉄道建設・運輸施設整備支援機構)は、加越トンネルの完成した部分を富山県に譲渡しました。
加越トンネルはいまも富山県が管理していますが、具体的な活用策が出てこないまま20年以上が過ぎました。当初はキノコ栽培や食料貯蔵庫として使う案が検討されたものの、空調の整備など多大な追加投資が必要なことから断念されています(1997年9月2日付け朝日新聞大阪地方版/石川)。
続いて富山県は、一般からトンネルの活用策を募集しました。「県営のカラオケボックス」「核シェルター」などの応募があったものの、これらも採算性などの問題から実現していません(1997年9月2日付け朝日新聞東京地方版/富山)。
ちなみに、北陸新幹線は2004(平成16)年、長野~金沢間をフル規格で一括整備することが決定。スーパー特急方式で工事中だった石動~金沢間はフル規格に「格上げ」され、線路は最初から新幹線用のものが敷かれました。そのため、北陸本線も富山県内の全線が第三セクターのあいの風とやま鉄道に引き継がれています。ルートを変更して経営分離区間を短くしようというもくろみも幻に終わりました。
【了】
Writer: 草町義和(鉄道ニュースサイト記者)
鉄道誌の編集やウェブサイト制作業を経て鉄道ライターに。2020年から鉄道ニュースサイト『鉄道プレスネット』所属記者。おもな研究分野は廃線や未成線、鉄道新線の建設や路線計画。鉄道誌『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)などに寄稿。おもな著書に『鉄道計画は変わる。』(交通新聞社)など。
トンネル所有者に取材しろよ。
ニュースなんだろ。
並行在来線区間を短くする、だけしか言えないんだもの。ウィキペディアのコピペよりもレベル低いぜ?(しかも大半がコピペ的内容)
やっぱり三流以下だよ貴方は
草町氏はどんだけ媚び売ってるんだろうか。ほんといなくなってほしい
と言うか、乗り物ニュースはトップページに記事名だけでなく著者名も書いてほしい。もう貴方の記事、読みたくないので。