窓から見える飛行機の翼、いろいろ動いてるけど何してる? 伸びたり跳ね上がったり…

翼の動きはこれだけではない 「人力」で動かしていたことも

 降下の減速時や着陸時に、主翼から跳ね上がる数枚の板は「スポイラー」。クルマのブレーキに相当し、翼の空気の流れをさまたげる(スポイルする)ことで速度を落とします。

 旋回するとき、主翼で上下する板は「エルロン(補助翼)」。左右対になって動き、両翼の揚力を変えることで機体を傾けます。

 たとえば右旋回時は、右エルロンが上、左エルロンが下向きです。こうすると、両翼の揚力差で右翼が下がる形で機体が傾きます。バイクでカーブを曲がるときと同様、下がった方に機体が旋回するのです(実際にはラダーなどと連動しつつ曲がる)。

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ANAのエアバスA380「フライングホヌ」の尾翼部分(2019年7月、乗りものニュース編集部撮影)。

 機内からは直接見られませんが、機体後部の翼もパイロットの舵取りで動きます。垂直尾翼の「ラダー(方向陀)」は、主翼のエルロンと組み合わせて左右方向の制御に、水平尾翼の「エレベーター(昇降陀)」は上下方向の制御に用いられます。

 なお、パイロットの操縦を翼の動きに変換する際、用いられるのはおもに油圧。近年の飛行機では、電気制御も併用されているのが一般的です。

 ちなみに、日本製のプロペラ機YS-11型機は、翼を「人力」で直接動かしていました。コクピットの操縦系と翼の可動域はケーブルで直接つながっており、「操り人形」のように舵取りをしていたのです。

【了】

【写真】古今東西の飛行機、さまざまな翼の動き!

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コメント

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2件のコメント

  1. 先ほどのコメント
    動画の頭の画像がA380だったので、機種名が違うとコメントしてしまいました。
    動画はあってますね。
    失礼致しました。

  2. スポイラーはスピードじゃなくてリフトをスポイルするからスポイラー