ボーイング737、なぜ「タイヤむき出し」で空を飛ぶ? 離陸しても閉めるドアがない!

日本の航空会社でもよく目にするボーイング737シリーズは、尾翼や前脚も特徴的ですが、離陸後の機体を見ると主脚のドアがなく「むき出し」なのもポイント。同機の誕生背景を考えると、このほうが望ましく、効率的だったりします。

短距離離着陸性能に貢献 「天然のクーラー」効果も

 ドアがない理由のひとつは、重量の削減。ドアや関連する装置を取り払えれば、そのぶん機体が軽くなります。そして軽いほど離陸滑走距離が短くて済み、滑走路が短い地方空港にも就航できます。ボーイング737-800型機は、1660mで離陸可能だそうです。

 もうひとつは、外気を使って装置全体を冷やすため。水平飛行中の外気は、マイナス50度になることもあります。数十トン(ボーイング737-800型機の最大離陸重量は約70トン)の機体が200~300km/h程度で離着陸すると、メインギアには大きな摩擦熱が発生。それを冷やすため、飛行中の外気を「天然のクーラー」として使うのです。

 当初、短距離用に開発された737シリーズは、水平飛行の時間も、ほかの飛行機より短めを想定。長距離飛行ではドア越しにゆっくり冷却可能ですが、短距離の場合は、外気に直接さらしたほうが効率的です。

Large 20191022 01
ANAのボーイング737-500型機の主脚部分(2019年9月、乗りものニュース編集部撮影)。

 なお「むき出し」の主脚は、ドアがある場合とくらべて、飛行中の空気抵抗が増えることがデメリットです。ドアがないため車輪格納部分に凹凸(おうとつ)ができ、空気の流れが乱れます。

 737シリーズは短距離飛行用として開発された経緯からこの構造を採用していますが、多くの旅客機は、飛行中の空気抵抗を下げることを優先するため、ドアをつけるのが一般的です。

 ちなみに、この「むき出し」の主脚は、短距離運航を想定した現代のリージョナルジェットでも見られる仕様。たとえばJALグループのJ-AIRでも就航しているエンブラエル(ブラジル)のE170型機、E190型機、三菱航空機が制作中の「スペースジェット」などで採用されています。

【了】

【写真】主脚を「むき出し格納」した状態のボーイング737

【飛行機特集】航空券の予約術や座席選びのコツ、最新のグレードや料金事情を徹底紹介! 格安のLCC情報も!

最新記事

コメント

9件のコメント

  1. 車輪の収まるところの内側がケーブルや配管むき出しでびっくりしました。

  2. この方式はB737だけではなく、エンブラエルE170シリーズやボンバルディアCRJも同様だ。

  3. ブレーキを冷やすためという説明はちょっとおかしいと思う。一応確認したらウィキにもそう書いてあったけれどね。いずれにせよドアの有無で温度がそれほど変わら無さそうだし、同じリージョナルジェットとして設計された727にはドアがついているしね。

    737は荷物の出し入れのしやすさ等の理由から出来るだけ地面からの高さが低くなるよう設計されたため、扉をつけるにはドアの機構が複雑になってしまうからという理由からかと。

  4. 剥き出しの車輪の格納庫にバードストライクでトラブルは起きないのか不思議?

  5. あのむき出しのタイヤは見た目が蛾の翅の模様のようで苦手(笑)

    たまたま見上げた飛行機が737だと、タイヤのあの黒目にギョッとしてしまう。

  6. 大戦中のプロペラ機でもカバー無しが有ったな。

    中島飛行機の隼のようだ。

  7. 皮を被ってないオレのと一緒ってことかな。

  8. 熱が出るのはギアというかブレーキでは。それも冷えてなければならないのは、緊急停止ができるまで温度が下がってから離陸前であって、離陸時にブレーキはほぼ使わないし、その後飛行中の冷却はあまり問題にならないはず。

  9. 737は当時のジェットとしての常識からは大きく外れた極短距離路線や短い滑走路に特化した仕様で作られました。そのため、737のタイヤとブレーキは離着陸のたびに高熱にさらされ、短い巡航時間では冷却しきれない可能性がありました。そこで、タイヤを直接空気にさらす方法を採用しました。空気抵抗については巡航時間が短いこともあって、さほど問題にはならなかったようです。

     その737も-100からMAXまで発展し、短距離路線専用機から大きく外れていますが、未だにタイヤカバーは付けられていません。これは、短距離にも使えるようにというセールスポイントでしょうか。あるいは今更カバーを付けるには主脚の構造からの見直しが必要なので、そんな面倒なことはしないと割り切っているのでしょうか。

     737-100で使っていたJT8Dは、エンジンを後方から見ているとエンジン点火の際に内部がオレンジ色にボッと光るので、かっこよかったです。

     参考までに、那覇-宮古島間は上昇10分巡航10分降下10分の、極ではないですが短距離路線です。

記事ランキング

  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  3. 「海自最大の護衛艦」と「世界最大級の軍艦」が洋上で並んだ! 圧巻の編隊航行を上空から捉えたショットが公開
  4. 片山さつき大臣「実態調査はじめます」 街のクルマ屋の「保険代理店打ち切り」問題に新局面 ビッグモーター事件の余波に再び切り込む!
  5. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号