台風19号の大雨に耐えた荒川 しかし京成本線の荒川橋梁が心配される理由

油断大敵、台風19号では氾濫をまぬがれた荒川だが…

 荒川を渡る鉄道の橋梁を、下流から順に挙げてみます。

・JR京葉線:新木場~葛西臨海公園間
・東京メトロ東西線~南砂町~西葛西間
・都営地下鉄新宿線:東大島~船堀間
・JR総武線:平井~新小岩間
・京成押上線:八広~四ツ木間
・京成本線:京成関屋~堀切菖蒲園間
・東武伊勢崎線:北千住~小菅間
・JR常磐線:北千住~綾瀬間
・つくばエクスプレス:北千住~青井間

 このあたりまでが、いわゆるゼロメートル地帯です。

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平時における京成本線の荒川橋梁(2019年9月17日、内田宗治撮影)。

 京成本線より地盤沈下の激しかったのが、京成押上線の荒川橋梁です。かつては水面と橋桁のあいだの高さが低く、船が橋桁にぶつかった事故もありました。ですが2002(平成14)年に架替えが完了しました。

 またJR総武線の荒川橋梁も、周辺区間の線路増設が行われた1972(昭和47)年に架替えが行われています。

 東京メトロ東西線と都営地下鉄新宿線も地盤沈下の激しい地点で荒川を渡りますが、これらの区間は1970年代後半以後の開通なので、地盤沈下もおさまり、橋梁もある程度高い位置に作られています。北千住を出て荒川を渡る常磐線などもその後、改修がなされているようです。JR京葉線の同区間は1988(昭和63)年の開通です。

 今回の台風19号で、荒川は埼玉県熊谷市付近などで水位が上昇し、避難勧告の目安となる氾濫危険水位に到達しています。また荒川の下流にあたる東京都江戸川区の一部では、浸水の恐れがある約20万世帯に避難勧告が出されています。

 各地で被災された方々にはお見舞い申し上げます。ただし荒川は幸いにも(もしかしてぎりぎりの所で)氾濫をまぬがれました。氾濫した場合、最悪のケースでは都内23区の三分の一にも及ぶエリアが浸水すると想定されています。

 なお、東急田園都市線の二子玉川駅付近で多摩川の流れが堤防を越え浸水被害を出したことは、盛んに報道されたとおりです。念のため付け加えれば、この原因は、東急田園都市線が横切る地点の堤防の高さが低いということではありません。橋梁はかなり高い地点に設けられています。

 また、線路が横切る地点の堤防が低くなっている例はこのほかの場所でも見られますが、京成本線の荒川橋梁のように地盤沈下が理由とは限りません。

【了】

【地図】荒川氾濫時に想定される被害範囲 東京駅付近も冠水

Writer: 内田宗治(フリーライター)

フリーライター。地形散歩ライター。実業之日本社で旅行ガイドシリーズの編集長などを経てフリーに。散歩、鉄道、インバウンド、自然災害などのテーマで主に執筆。著書に『関東大震災と鉄道』(新潮社)、『地形で解ける!東京の街の秘密50』(実業之日本社)、『外国人が見た日本 「誤解」と「再発見」の観光150年史』(中公新書)』ほか多数。

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コメント

1件のコメント

  1. 地図に京成線がどこだかわからないものを出すのはいかがなものか