デビュー近い「DMV」注目される成否 線路も道路も走行OK 地方鉄道をどう救うのか?
DMVの成功は阿佐海岸鉄道しだい
阿佐海岸鉄道の2018年度の輸送人員は5万3570人で、1日あたり平均で約147人。1列車あたり平均で4人です。通学や休日の観光で利用するときは乗客が多いとは言え、ほとんどの列車では、DMVで懸念される定員よりも少ないという現状です。むしろ、現在運行している定員約100人の車両はオーバースペックというわけです。
阿佐海岸鉄道は営業運行に向けて、DMV車両を3台購入しました。その費用は3億6000万円、1台あたり1億2000万円です。これは現在の鉄道用ディーゼルカーの価格とほぼ同じです。国土交通省が2013(平成25)年に開催した検討会では、10両発注時の量産価格として、従来のディーゼルカーは1台あたり1億3000万円、DMVは約3500万円としていました。車両購入費は目論み通り安くならなかったことになります。ただし、保守費用については下がると思われます。
DMVの導入にあたり、阿佐海岸鉄道は当初、旧式ながら費用が抑えられる「スタフ(通行手形)方式」で運行管理をする予定でした。しかし、その後の検討会でDMV向けの保安システムを開発することにしました。こうした初期費用の増加も予期せぬ出費です。
阿佐海岸鉄道は、DMVの運行開始時期、ダイヤなどを発表していません。道路区間のルート作成も検討中です。一方、観光活用については、官民が参加する組織「あさチェン連絡会議」が結成されて動き出しています。
DMVの活用法については、「地方交通線の経営改善」だけではなく「レールが残っている廃線」や「休止中の貨物線」の再利用方法としても注目しています。その意味でも、阿佐海岸鉄道のDMV運行の成功が期待されています。
【了】
Writer: 杉山淳一(鉄道ライター)
乗り鉄。書き鉄。ゲーム鉄。某出版社でゲーム雑誌の広告営業職を経て独立。PCカタログ制作、PC関連雑誌デスクを経験したのち、ネットメディアなどで鉄道関係のニュース、コラムを執筆。国内の鉄道路線踏破率は93パーセント。著書に『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。日本全国列車旅、達人のとっておき33選』(幻冬舎刊)など。
> DMVは車両が軽いため、検知装置を作動できない場合があります。
重量で検知なんかしねーよ。
言葉足らずな記事とはいえ、
重量も関係しますよ。
軽いと軌道短絡が起きず、
踏切が閉まらなかったり
信号が正常に作動しなかったりと。
さらに詳しく知りたいのであれば、
近江鉄道のレールバス導入失敗事例と、
京急の制御電動車化について。
この2例をネットで検索してください。
一番の欠点は万が一の事故でしょうな。
鉄道事業者として触れたく無いだろうけど、
踏切(阿佐海岸鉄道にはないが)や落石などと。
レールバスが廃れた理由のひとつがそれだからね。
そのために踏切で一旦停止や
少しでも危険と判断したら時速10km/h以下で運行。
なんてやってたら鉄道として成り立たない。
この記事を読む限りでは、話題性以外のメリットが感じられないし、結局うまく行かないような気しかしない
マイクロバスを改造したタイプだと線路上の方向転換が出来ず(ターンテーブルが必要)、乗降口が進行方向左しか無い。昔存在したレールバスをベースにすれば解決できるだろう。