台風時、高速道路も「計画通行止め」定着なるか 鉄道の計画運休と同じ悩みも
2019年10月の台風19号では、鉄道で「計画運休」が実施されたのと同じように、高速道路でも計画的な通行止めが実施されました。人的被害を防ぎ、早期の復旧につながるものの、課題も見えてきています。
台風19号で首都高は全線通行止めに
首都高速道路が2019年10月25日(金)、宮田年耕社長の定例会見を開催し、10月中旬に上陸した台風19号への対応について発表しました。
今回は10月12日(土)から全線が通行止めになり、多くの路線は14時間で解除されましたが、K1横羽線の一部区間など、解除まで最大で19時間45分かかった路線もありました。
この台風19号に際して首都高速道路は、10月9日(水)から、台風の接近にともない通行止めになる可能性があることを事前にウェブサイトで発表し、11日(金)には具体的な路線も公表しました。こうした事前発表を、同社では2019年9月の台風15号に際し初めて実施し、台風19号のときが2度目だったそうです。宮田社長は「鉄道の『計画運休』と対をなすもの」だと話します。
「課題は、鉄道と同じく、通行止め解除の見込みを発表する難しさです。被害の状況把握も必要なため、どれくらいで解除できるか、見込みがなかなか立てられないのが悩みどころです」(首都高速道路 宮田年耕社長)
台風15号のときは湾岸線で冠水が発生し、水が引いても泥やゴミ、木の葉の除去に難儀したといいます。これを受け、台風19号のときは、高潮で浸水する可能性のある路線で早めに通行止めを行い、土のうを積むなどの対策を実施。これが功を奏し、初めて通行止め解除の見込みもアナウンスできたそうです。しかし、前出の横羽線のように、復旧がずれ込んだ路線も存在。周辺にある工場の屋根が本線上に飛来し、その撤去に時間を要したといいます。
今回の台風19号に際しては、NEXCO各社も、広い範囲で通行止めになる可能性があることを事前に発信しました。大雨による土砂災害や水害の影響は、10月28日(月)現在も残ってはいますが、NEXCO中日本によると人的被害はゼロだったそうです。今後、このような道路の「計画通行止め」は増えるかもしれません。
【了】
ヒステリックに「不要不急の!」とか言いだすと別の問題が生じるのだが、宅配業の翌日配送とか時間指定とか(労働環境の最適化という観点からも)カリカリ抗議するのも再考する時期だろう。