「戦いは数」どう支える? M4「シャーマン」戦車、「偉大なる大量生産」の実現

M4「シャーマン」戦車は、アメリカ製戦車として歴代最多の約5万両が生産されました。しかも第2次世界大戦のさなか、ごく限られた期間でのことです。そのバリエーションの多さは、当時のひっ迫した情勢を物語るものでもありました。

自衛隊の草創期を担ったアメリカ製中古戦車

 日本は世界で10指に入る戦車開発国です。第2次世界大戦前から独自に戦車を作り続け、2019年現在もオリジナルの10式戦車を生産し配備しています。しかし、日本が使用した戦車全てが国産だったわけではありません。旧日本陸軍も陸上自衛隊も、国産戦車を採用する前は外国製戦車を導入していました。

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自衛隊富士駐屯地で保存展示されているM4「シャーマン」。奥に並ぶのがM24「チャフィー」軽戦車(2012年1月、柘植優介撮影)。

 第2次世界大戦後、陸上自衛隊の前身である保安隊へ最初に配備された戦車は、アメリカ製のM24「チャフィー」軽戦車でした。のち自衛隊が発足し、より本格的な戦車としてM4「シャーマン」がアメリカから供与されます。同車は、国産開発した61式戦車の配備が進むまで、自衛隊戦車戦力の主力を担いました。

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