潜水艦の舵は「十」から「X」へ、どう進化? 45度傾けるのが効果的だけど難しい理由

潜水艦、X舵の方が十字舵よりも機動性も向上

 また十字舵では舵を動かすのに油圧シリンダーを上下用1本、左右用1本の計2本用いていました。これは上と下、左と右の舵で同じ動きをするからです。それに対し、X舵は4枚の舵が全て異なる動きをするため、油圧シリンダーも4本あります。

 4本あると構造が複雑になる欠点はありますが、仮に1本が駄目になっても、動かなくなるのは4分の1です。ところが十字舵で油圧シリンダーが1本駄目になった場合、上下もしくは左右のどちらかが動かなくなってしまいます。ダメージコントロールという観点から、どちらが優れているかは明らかです。

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横須賀で停泊中の海上自衛隊潜水艦。右2隻がおやしお型、左端がそうりゅう型。後舵の形状が異なる。(2018年6月、柘植優介撮影)。

 X舵にするもうひとつの理由は、X舵の方が十字舵よりも、舵1枚当たりの面積を大きくすることができるからです。

 上述したように、舵は接舷時や海底へ鎮座した際にぶつけて破損する可能性があります。よって従来の十字舵の場合、船体からはみ出させることはできず、船体の縦横最大寸法までに収める必要がありますが、X舵の場合、同じく船体の縦横最大寸法に収めても、√2倍の大きさにすることができるというわけです。

 同じ艦体サイズであった場合、舵が大きくなると、それだけ機動性も高くなります。十字舵のおやしお型と比べると、X舵のそうりゅう型は水中旋回性で約30%向上し、浮上する際の角度も15%大きくなっています。要はおやしお型よりも小回りが利き、浮上する際は素早く行えるということです。

【写真】退役した潜水艦「あきしお」の操舵手席

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コメント

2件のコメント

  1. 『そもそも潜水艦の舵は、海中という3次元空間を動き回れるように作られたものです。水上の艦艇とは異なり、潜水艦の舵には前後左右だけでなく上下への動きも求められるのです。従来の「十字舵」の場合、上下に設けられた縦舵が左右の動き、左右の横舵が上下の動きを担い、舵に求められる機能としては、これで必要十分なものです。』

    違うでしょ。
    3次元でなんでしょ。
    艦は傾くんだが。

  2. 「鎮座」ではなく
    「沈座」では?

    ちょっと気になりました。